劇場公開日 2016年3月25日

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「簡単には白黒つけられない正義と正義の戦い」バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5簡単には白黒つけられない正義と正義の戦い

2016年3月28日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

興奮

難しい

DCコミックの2大看板ヒーローが遂に激突!
アメコミ・ヒーローがスクリーン上に氾濫し始めた昨今でも、この2大ヒーローの激突は『ゴジラ対ガメラ』級!
映画化の企画が上がったのももう随分前。
ああ、やっとか…。

全米での批評は鈍く、日本でも賛否両論のようだけど、かなり楽しんで観た。
バットマン側のドラマとスーパーマン側のドラマが交互に展開。
ブルース・ウェインとクラーク・ケントとして、そしてバットマンとスーパーマンとして、顔を合わせた時の興奮!
そもそも、片や超人、片や鍛えているものの普通の人間、勝負になるのか。
超人に対し、ごっつい鋼鉄アーマーやクリプトナイトなどあの手この手を策して戦うバットマン。
両者の激突は重量級!
…とは言え、二人共ヒーロー。ずっと憎み合って殺し合う訳じゃないのは見る前から分かっている。
ラスト、とんでもない奴が現れ、共闘する2大ヒーロー(とスーパーヒロイン)には素直に童心ワクワク!
ガチ対決もいいが、やっぱヒーロー物はこうじゃなきゃ!

『マン・オブ・スティール』の続編でもあり、前作の戦いでスーパーマンは人類の脅威として恐れられるようになる。
前作で敵と一緒になって街を破壊するスーパーマンにオイオイと思ったが、本作への伏線だとしたら天晴れ。
神に等しい超人的な力は脅威か。
昔少年ジャンプで連載されていた『アウターゾーン』で、ヒーローの存在が成り立つのはそのヒーローと対等の悪役がいる時と言っていた。
また、藤子・F・不二雄のSF短編漫画でもスーパーマンをブラック・パロディにしたものがあった。
スーパーヒーローがもし存在した時の周囲の恐れなどリアルな描かれ方は悪くない。

悪への憎しみから生まれたバットマン。
悪を倒す為なら手段は選ばない闇のヒーロー。
正義への考えや信念、ヒーローとしての立ち位置も全く違うバットマンとスーパーマン。
簡単には白黒付けられない正義のぶつかり合いだからこそ、ドラマは重く複雑に、正義やヒーローについて考えさせられる。

登場キャラだけでも多いので、『マン・オブ・スティール』からの続投組は割愛して特に印象に残った4人を。
まず、ベン・アフレックのバットマン。
キャスティング発表時は疑問の声も上がったが、なかなか悪くなかった。
これまでと違って白髪交じりのちょっとくたびれたブルース像は人間味を感じさせた。
ジェシー・アイゼンバーグのレックス・ルーサー。
急に若返ってびっくりだが、なるほど、そういう設定か。
ハイテンションでクレイジーで現代的なルーサー。狡猾さは変わらずで、その頭脳で2大ヒーローの激突に割って入る。
特に期待していたのは、ガル・ガドットのワンダーウーマンかもしれない。
『ワイルド・スピード』でクールビューティーさを魅せてくれた彼女がさらに魅せるセクシーさとその予想以上の強さ!
単発映画が楽しみ。
キャスティング発表時から合うと思っていたジェレミー・アイアンズのアルフレッド。歴代のアルフレッドにも見劣りしない名アルフレッドだった。

とにかく情報量が多く、展開も忙しく、最初はついていくのがやっと。
迫力あり、見所も満載だが、同時にそれはごちゃごちゃ詰め込み過ぎた感も否めない。
ザック・スナイダーの演出は深みと繊細さに欠ける。
難点も多いが、総括すれば満足、これから始まるDCコミックの実写化企画のスタートとしては、一応の合格点であった。

近大
としぱぱさんのコメント
2016年3月28日

近大さん、お久しぶりです。
私も土曜日観てきました。
長文のレビュー、気合い入ってますね。
私はまだ、ラストシーンが消化できず
レビューにとりかかれません。
だって昔から大ファンだったから。
ぼちぼち書いていきます。
良かったらコメント下さいね。

としぱぱ