「B級映画の英雄」ザ・ヘラクレス 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
B級映画の英雄
『ダイ・ハード2』『クリフハンガー』などアクション映画の雄として手腕を奮ったものの、今じゃすっかり大作はご無沙汰のレニー・ハーリン。
そんな彼が久々に予算をたんまり投じて、ギリシャ神話の英雄ヘラクレスを描いたスペクタクル・アクション・ファンタジー!
…だったのだが、やっぱりB級だった!
う~ん、何て言うか…、それなりの予算をかけられた大作の筈なのに、B級感が否めない。
予算とかスケールじゃなく、これくらいの作品レベルだったらそれこそ未公開のB級映画でもあるし、最近人気のTVシリーズの歴史スペクタクルでも、これ以上のスケールや作品レベルのものあるよ。
第一、話が面白くないんだよねぇ…。
そもそもヘラクレスの英雄物語自体詳しくは知らないけど、これ、本当にその英雄物語をなぞってやってるのかしら…?? 多少それらしきシーンはあるにはあったけど、とてもそうは思えん…。
だって、主人公と美しき姫が恋に落ちて、陰謀があって、敵が居て…って、同じ底抜け大作『ポンペイ』を嫌でも思い浮かべてしまったよ。
それでもアクション・シーンは一応の見応えあったが、でも後の祭り。
それに色々言われてる通り、アクション・シーンが『グラディエーター』や『300』を意識し過ぎと言うか、ほぼパクリ。
せっかくのヘラクレスなのに、神話感も英雄感も全くナシ!
ロック様の『ヘラクレス』の方が意表を突いた視点でまだ面白かった。
ロック様を見た後じゃ、こっちのヘラクレス、ただの筋肉美イケメンってだけで、何もかもが欠けている。
キャストも誰が誰だか分かんね~。
神話の英雄がB級アクション・ヒーローに。
かつての大作アクションの雄がB級アクション専門に。