「【今作は、0-31の歴史的大敗を喫した米領サモアが、オランダ人監督を招聘し10年掛けて屈辱を振り払い、サモア魂を見せていく様がムネアツなサッカードキュメンタリー映画なのである。】」ネクスト・ゴール! 世界最弱のサッカー代表チーム 0対31からの挑戦 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【今作は、0-31の歴史的大敗を喫した米領サモアが、オランダ人監督を招聘し10年掛けて屈辱を振り払い、サモア魂を見せていく様がムネアツなサッカードキュメンタリー映画なのである。】
ー この事実をベースに、2024年にタイカ・ワイティティ監督が公開した「ネクスト・ゴール・ウィンズ」は、随所でクスクス笑いながらも、可なり沁みた映画であった。そして、このドキュメンタリー映画を観ると、上記映画のキャラクターがほぼ実在の選手・監督である事に驚きつつ、感動したドキュメンタリー映画である。-
◆感想
・冒頭、2001年のオーストラリア戦での歴史的大敗シーンが凄い。物凄い勢いでゴールに吸い込まれていくオーストラリアのボール。頭を抱えるキーパーのニッキー。
そして、新聞には『0-31.0-32だっけ?』なんて書かれている。そりゃあ、米領サモアチーム選手にとってはショックだろう。
米領サモアは、その後10年間、世界最下位ランキングを続けるのである。
・10年後に、サッカー会会長のタビサに招聘されたオランダ人監督、トーマス・ロンゲン。上記映画では、あのマイケル・ファスペンダーが切れまくる監督を可笑しく演じていたが、本物も相当に熱い男である。彼は選手たちを鼓舞し、時には怒鳴り付けつつ、的確な作戦を展開するのである。
■だが、如何せん、米領サモアの選手たちは日中は仕事をしているアマチュアである。体力面が弱いのである。
・そして、2014年。W杯予選。キーパーのニッキーも何と復帰し、トンガ戦で初の勝利【1-0】を果たすシーンは、ムネアツである。そして、次戦でも【1-1】の引き分け。
予選突破なるか!
・このドキュメンタリー映画で特に輝くのは、第三の性ジャイヤの存在である。サモア文化では、第三の性が普通に認められているのである。
そして、トーマス・ロンゲン監督は、W杯予選にずっとサブメンバーだった彼を、レギュラーに抜擢するのである。
<今作は、0-31の歴史的大敗を喫した米領サモアが、オランダ人監督を招聘し10年掛けて屈辱を振り払い、サモア魂を見せていく様がムネアツなサッカードキュメンタリー映画なのである。
タイカ・ワイティティ監督の「ネクスト・ゴール・ウィンズ」と併せて鑑賞しても面白いと思います。>
