「邦画のアクションはこんなもんじゃないはず!」S 最後の警官 奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
邦画のアクションはこんなもんじゃないはず!
Paraviで2回目の鑑賞。
原作は未読、テレビシリーズは視聴済みです。
日本の警察には、
SIT:警視庁刑事部捜査第一課特殊犯捜査係
SAT:警視庁警備部警備第一課特殊急襲部隊
―と云うふたつの特殊部隊(通称“S”)が存在している。それらに続く“第三のS”として組織された架空の組織、
NPS:警察庁特殊急襲捜査班
―の活躍を描いたテレビドラマの劇場版。
放送開始当初から映画化が前提だったとのことで、向井理、綾野剛、大森南朋、新垣結衣などの豪華キャストを揃え、ドラマにしては大掛かりなアクションシーンを毎回描いており、お膳立てはばっちりの最強布陣でしたが視聴率は「日曜劇場」にしてはまぁまぁの数字(個人的には毎週楽しみに観ていましたので、なんとも残念ではありました)。
不安要素はあったものの、しかし映画化前提のプロジェクトだったためにそこは止められず、本作が製作されましたが、案の定興行収入は目標を下回る結果となり、シリーズ化の目論見は頓挫してしまったようでございます。
今回改めて鑑賞して、ドラマに比べて本作は微妙だなと云う印象は変わりませんでした。テレビシリーズは、ドラマの枠を越えたアクションがすごいなと思っていましたが、それは反対に映画並みだったと云う訳では無かったんだなぁ、と…。
劇場版ならではのスケールを目指し、プルトニウムを積んだ大型タンカーのシージャックを扱い、海上自衛隊や海上保安庁の協力を得て撮影されたヘリの実機を使用したダイナミックなシーンはまさに映画だなと思いましたが、魅力はそれくらい。
アクションシーンがとにかく微妙。邦画のアクションはハリウッド大作と比べると足元にも及ばないのは重々承知しているし、本作も一昔前の日本映画と比較したら全然頑張ってるんですが、構成が下手だし空間を活かし切れていない印象でした。
まるで特殊部隊の合同訓練映像を見ているみたいでした。リアリティーを求めた末の描写だったのかもしれませんが、それならば随所でもそう云った描写を貫くべきだし―特にプルトニウム周辺―、全体的にとっ散らかっているように思えました。
日本映画のアクションはこんなもんじゃないはず!
―希望をこめての星3つです。