「恐怖と笑いの混在」グリーン・インフェルノ 俺の映画帖さんの映画レビュー(感想・評価)
恐怖と笑いの混在
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こんなにも恐ろしくて気持ち悪い話なのに、
クスッとしてしまう場面も多いという
不思議な体験をした。
子供がちぎれた脚を抱えて
嬉しそうに走っていく姿なんか
ホントに面白い。
この不謹慎なユーモアが全編に溢れている。
なんというか、皮肉が効いているのだ。
本来助けようとしていた先住民に
いたぶられ、殺され、食べられる。
そんな彼らの希望はそれまで
敵視していた軍隊。
「お前メチャクチャ言ってるぞ!」
とツッコミたくなるような展開。
でもこの話にはリアリティがある。
こういう自分勝手な奴らは多分本当にいる。
そしてこういう状況になったら多分
この作品通りの考え方をする。
(全て自分の推測だが)
そんな都合のいい考え方をする
いわゆる「意識高い系の学生」たちが
どんどん死んでいくのは、ある意味で痛快だ。
主人公がラストで「意識高い系」ではなく、
本当に「意識の高い」人間として
物語が終わるというのが良かった。
本作では登場人数が多いため、
色々な死に方が見られる。
中でも良かったのは
「プロペラの回転に巻き込まれて死ぬ奴」と
「親友の肉を
食っているのに気付いて自殺しちゃう奴」
この2人の死亡シーンは
本当に突然でビックリした。
「えぇ!!今死ぬの!?」と言いながらも
笑ってしまう。
若者が次々死んでいくというパニック映画は
いくつもあるが本作はただのパニック映画に
留まらず、1本の映画として非常に面白かった。
ハイセンスなブラックユーモアで
楽しませてくれるイーライ・ロス監督には
これからも期待したい。
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