「監督してほしかったなあ」エクスペンダブルズ3 ワールドミッション しんざんさんの映画レビュー(感想・評価)
監督してほしかったなあ
前作で一応「ドリーム」を完全実現した後、「大脱出」を経ての、本作。「ドリーム感」はやや薄れ、また1作目からかなり時代も流れ、大物共演が当たり前のようになってきている今、もはや「集めただけ」は通用しない。
スナイプス、バンデラス、フォード、そして、Mr.ドメスティック・バイオレンス、メル・ギブソン。
すごい。しかし。果たして集めただけ、の映画になっていないか、という心配はあった。
果たして、彼らが出ることで、当然他のメンバーの出番は減るのだが、結果、改めてこのシリーズの在り方を再認識することとなった。
本作のキモは
1)とりあえずほぼ全員に見せ場がある
2)ラストのバーの打ち上げ
の2点に絞られると思う。
バンデラスは、もう間違いなく「暗殺者」の役の「カワイイ部分のみ」を抽出、凝縮した役で楽しい。フォードについては、まあ、本当に爺さんなのと、パイロット役がハン・ソロというより、「6デイズ7ナイツ」のほうを思い出されることに苦笑。
そして、ギブソン。やはりこの人のDVルックはいいねえ。ギラギラしてます。
内容としては、結局「集めただけ」は免れたものの、すげえ面白いか、と言われると、そうでもない。
特に、今回のストーリーは新旧世代という、1,2で完全否定していた点に焦点を当てて時間を大きく割いている点は大減点。しかも中盤の若手スカウトの旅が全然つまんない。そもそもスライと若手がかみ合った傑作は存在しない。結局、スライががんばるんだから。それを踏まえてのこれ、なら、そりゃすごいんだが。
今回の監督、前半のアクションはちょっとごちゃごちゃして面白くないし、どうしたもんでしょ、と思ってたが、後半のアクションは各々に見せ場がきちんとあり、それがまたずいぶんと頭の悪いモノで興奮する。ギブソンとスライの一騎打ちなんて、この頭の悪さが最高に楽しい。
みんなに見せ場を与えると、ある意味「面白くなくなる」のは当然かもしれない。ギブソンの悪役っぷりがもっと見たいとか、フォードのパロディがもっと見たいとか。
だけど本シリーズは、さっき散々心配してた「集めただけ」でも、プラス「配役」がはまれば、それでOK、ということなんだろう。
それが如実なのは、最後の打ち上げで、この打ち上げのバカバカしい多幸感が素晴らしい。結局このシリーズって、このノリがすべてなんだよね。しかし若手に「OLD MAN」を歌わせたのは、ちょっと水を差したような気も。まあ、いいか。
追記
今回の監督、悪いとは決して言わない。しかしこれだけは言わせてくれ。
「ギブソン監督で観たかったなあ」
追記2
アクションはCG多い。さらにみんな顔きれいすぎ。今回もエンドロールがなげえ。
仕方ないか。