「エクスペンダブルズだョ!全員集合。 こんな超豪華オヤジ俳優陣が揃ったら、そりゃ若手軍団の影も薄くなるわな…。」エクスペンダブルズ3 ワールドミッション たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
エクスペンダブルズだョ!全員集合。 こんな超豪華オヤジ俳優陣が揃ったら、そりゃ若手軍団の影も薄くなるわな…。
バーニー・ロス率いる「消耗品軍団」の活躍を描いたアクション映画『エクスペンダブルズ』シリーズの第3作。
CIAからとある武器商人の抹殺を命じられたエクスペンダブルズ。しかし、そのターゲットとはバーニーと深い因縁を持つ男だった…。
シリーズ最強の敵に新生エクスペンダブルズが挑む!
⚪︎キャスト
バーニー・ロス…シルベスター・スタローン(兼脚本/原案)。
リー・クリスマス…ジェイソン・ステイサム。
トレンチ…アーノルド・シュワルツェネッガー。
イン・ヤン…ジェット・リー。
チャーチの後任としてエクスペンダブルズとコンタクトを取るCIA作戦担当指揮官、マックス・ドラマーを演じるのは『スター・ウォーズ』シリーズや『インディ・ジョーンズ』シリーズの、レジェンド俳優ハリソン・フォード。
武器密売組織のリーダー、コンラッド・ストーンバンクスを演じるのは『マッドマックス』シリーズや『リーサル・ウェポン』シリーズの、オスカー監督としての顔も持つ名優メル・ギブソン。
エクスペンダブルズの新メンバーの1人、ソーンを演じるのは『ダークナイト ライジング』のグレン・パウエル。
喋り好きな元傭兵、ガルゴを演じるのは『スパイキッズ』シリーズや『シュレック』シリーズの、名優アントニオ・バンデラス。
シリーズ3作目は駄作になるという悪夢の法則は『エクスペンダブルズ』シリーズでも例外ではなかった…。
右肩上がりに興行成績を伸ばしていたシリーズだが、本作でガクッと売上を落としており、一体何故なのか疑問に思っていたのだが、鑑賞してみて納得。
シリーズとしての一貫性、というかコンセプトがズレてしまっている。
本作のコンセプトは80'sに活躍していたにも拘らず、今では蔑ろにされているアクション・スター達にもう一度スポットライトを当てよう、というもの。
なので、本作で新メンバーとして加入したウェズリー・スナイプス番長やアントニオ・バンデラスは最適なキャスティングであると思う。
敵役がメル・ギブソンという人選もナイス。彼も色々あったからねぇ💦
ハリソン・フォードは、ほかのキャストとは業界上での立ち位置が少し異なっているような気がして、個人的にはちょっと違和感があるけどまぁオッケー。本当はニコラス・ケイジとかだとベストなんだけど。
…これだけのキャストが集まったのに、チャーチを演じていたブルース・ウィリスが降板してしまったのは悲しい。ギャラが原因だという話だが、本当は既に健康状態に問題があったのかしらん?
で、やっぱり問題なのは若手アクション俳優を一気にメンバー加入させたこと。
1人くらい若手を入れるというのなら全然問題無し。実際『2』(2012)でクリヘムの弟が加入していたが全く違和感はなかった。
しかし一気にメンバーを増やすとなると話は別。新メンバーの活躍にリソースを費やしたせいで、ステイサムやドルフ・ラングレンなど、旧来のメンバーの活躍シーンが極端に減った上、観客が一番観たい(そうだよね?)番長やバンデラスの活躍がイマイチ目立たないという結果になってしまっている。
マッド・ドクターの番長、マシンガントークのバンデラスというキャラは面白いのだから、既存のメンバー+新メンバー2人(+若手1人)というバランスでいつものバカアクションを見せて欲しかった。
余談なんだけど、番長加入に伴い、テリー・クルーズの出番がほとんど無くなっていたけど、マイノリティ人種は1チームにつき1人というルールでもあるのか?『2』でもジェット・リーが抜けてアジア人女スパイが加入していたし。こういう所、なんか気になってしまう…。
スタローンが若い人材にチャンスを与えたい人間なのはわかる。自身が苦労人だというのもあるだろうし、若い人と共演することによってフレッシュなパワーを貰いたいという意識もあるんだろう。
翌年に公開された『クリード チャンプを継ぐ男』(2015)ではスライの若手抜擢路線が完全に上手くいっており、新鋭ライアン・クーグラー監督とマイケル・B・ジョーダンにチャンスを与えた結果、スタローンのキャリアは第二の黄金期を迎えることになった。
でも本作はダメ。若手監督と若手キャストを重用した結果、前作までにあった型破りなパワーは鳴りを潜め、代わりに無駄にシリアスでつまらないアクションシーンが目立つようになってしまった。
冒頭のウェズリー・スナイプス救出からメル・ギブソンとのコンタクトまでのシークエンスは完璧だった。あの馬鹿馬鹿しさこそ、観客の求める『エクスペンダブルズ』!
『2』がコミカルになりすぎたことについてスタローンは反省していたようだが、いやいやあのくらい馬鹿馬鹿しくチャック・ノリスやシュワちゃんやヴァン・ダムやブルースが暴れてくれた方がスカッとするし楽しいって!
『エクスペンダブルズ3』の興行成績がいまいちだったこともあってか、現在までシリーズの新作は作られていないが、どうやら『エクスペンダブルズ4』の製作は水面化で進んでいるらしい。
皆んな若くないんだから、間に合わなかったなんてことにならないように、早く新作作ってくれスタローン!
その時は『3』よりもバカバカしくて、人命を軽視するかのようなド派手なアクションを見せてくれー😭
スライが目指したのは、かつて勇名を馳せが今は使い捨てられた様な元スターを集結させることだったと思います。
ブルース・ウィルスは、スライに拾ってもらえたことに気付かずギャラ値上げを要求して切られたみたいですね。
ハリソン・フォードは逆にスライの意義に賛同して男気を見せました。彼は過去のアクションスターとはポジションが違いますからね。
確かに本作は出し過ぎ感があって、活躍の場が少なかった俳優は気の毒でした。
ただ、1作めの製作発表直後にYouTubeで配信されたスライのトレーニング映像は、共演者に対する強烈なアピールでした。スライは本気だ、と。
次があるなら、期待するのはジャッキー・チェンです!
スライとジャッキーの共演は、還暦過ぎようが観たい!って、思いませんか?
スクリーンで観たら泣いちゃうかも!