劇場公開日 2014年10月11日

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「調子外れな不協和音」ミンヨン 倍音の法則 玉川上水の亀さんの映画レビュー(感想・評価)

1.5調子外れな不協和音

2014年9月18日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

寝られる

NHKで「四季・ユートピア」「川の流れはバイオリンの音」という名作テレビドラマを生み出した佐々木昭一郎さんが、約20年の沈黙を破って手がけた初の長編劇映画。
プロの俳優を使わず、一般人による生のリアクションによるライブ演技と、美しい映像と音楽に彩られた作品構成は変わらず。
一般人の演技のみで作品を成り立たせようとすると、下手をすると「学芸会」になってしまう。
以前の佐々木作品なら、詩のような台詞に伴奏のような音楽と映像が乗り、透明感溢れるハーモニーを奏でていた。
ところが本作品では、調子外れな不協和音が交って透明度が低い。
そして140分という上映時間が長過ぎて、このくどい展開が何時終わるのだろうかと思ってしまう。
20年のブランクの間に佐々木さんが表現したいことが溢れ、それを本作品に盛り込みたいのは分かる。
ましてや佐々木さん縁の人々に捧げた作品ならば尚更だ。
ただその思いが強ければ強い程、主張したいことを前面に出せば出す程、持ち味である透明感は濁っていく。
美人ではないが、マルチリンガルで歌声が美しいヒロイン・ミンヨンは魅力的ではあるが、プロではない一般人に2時間以上の長丁場を持たせるのは無理があると思う。
そういった「馬脚」を更に助長させているのは、噴飯ものの設定と展開。
本作品では、現代と戦時中とが交錯して展開するのだが、その二つの時代を合わせ鏡にしようとしての設定と展開なのは分かるが、あざとさが残る。
やはり20年のブランクを埋めるのは難しいということなのかもしれない。

玉川上水の亀