「素晴らしかった」チョコレートドーナツ 古泉智浩さんの映画レビュー(感想・評価)
素晴らしかった
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男同士でいちゃいちゃしている様子は、正直気持ち悪いと感じてしまうのだが、それでも彼らが真剣にダウン症のマルコを大切に思っている様子には涙が出る。彼らには一切血縁がないのに強固な絆で結ばれているところが感動的だった。
法律が、個人の幸福を一切無視して決まりのための決まりに陥っているのは本当に問題だ。120年前に作られた戸籍の法律のせいで、日本でも、無戸籍で困っている人がいる。DNA鑑定を法律に組み込むだけで簡単に解決できるのに一体なぜしないのか。アメリカはまだ、法廷で正々堂々と対決できるのに、日本はなんとなく先送りにしたり、面倒くさがっているような感じで何も変えようとしない。社会や法律や制度になんか期待するのがバカらしくなる。
まさか、マルコがあんな悲惨な死に方をするなんてかわいそうすぎる。ポールが送った手紙が悲しかった。
ダウン症の負の側面はあまり描かれておらず、そこも踏み込んでほしかった。負の部分があってもなお、親子の絆が強くあるという様子が見たかった。それでも素晴らしい映画だった。
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