「グランド・ブダペスト・ホテルにこめられた古き欧州の煌びやかさと、その崩壊」グランド・ブダペスト・ホテル Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
グランド・ブダペスト・ホテルにこめられた古き欧州の煌びやかさと、その崩壊
ウェス・アンダーソン 監督による2014年製作(100分/G)のアメリカ映画。
原題:The Grand Budapest Hotel、配給:20世紀フォックス映画、
劇場公開日:2014年6月6日。
主に第二次大戦前の東欧においての豪華ホテルを舞台としたコメディタッチの映画。確かに、美術や衣装、デザイン等は見事とは思えた。ただ、殺人事件のミステリー的な物語展開を期待してしまって見たせいか、自分にはあまり面白くは無かった。
原案・製作・脚本・監督のウェス・アンダーソンが主に何を描いているのか、描きたいのかが、自分には十分に掴みきれなかったせいかも。ファシストの横暴、それとも若い男女の恋愛、ホテルボーイと経営者の師弟愛、おもてなしとして客と寝るホテル経営者グスタブ(レイフ・ファインズ)の数奇なドラマ、ベルボーイのゼロ(トニー・レボロリ)の出世物語、ホテルを舞台とした「シャイニング」等の映画へのオマージュなのか?
と書き進んだところで、この映画は元ネタとされるオーストリアのユダヤ人作家シュテファン・ツヴァイも含めて監督憧れの古き欧州の煌びやかさと、その崩壊を描いてるのかなと思えてきた。ただ、ゼロの妻アガザ(シアーシャ・ローナン)の頬にある大きなメキシコ形の痣の意味が、自分には大きな謎である。
キャスト
監督ウェス・アンダーソン、製作ウェス・アンダーソン 、スコット・ルーディン、 スティーブン・レイルズ 、ジェレミー・ドーソン、製作総指揮モリー・クーパー 、チャーリー・ウォーケン 、クリストフ・フィッサー 、ヘニング・モルフェンター、原案ウェス・アンダーソン 、ヒューゴ・ギネス、脚本ウェス・アンダーソン、撮影ロバート・イェーマン、美術アダム・ストックハウゼン、衣装ミレーナ・カノネロ、編集バーニー・ピリング、音楽アレクサンドル・デプラ、音楽監修ランドール・ポスター。
出演
レイフ・ファインズムッシュ・グスタヴ・H、F・マーレイ・エイブラハムミスター・ムスタファ、マチュー・アマルリックセルジュ・X、エイドリアン・ブロディドミトリー、ウィレム・デフォージョプリング、ジェフ・ゴールドブラム代理人コヴァックス、ハーベイ・カイテルルートヴィヒ、ジュード・ロウ若き日の作家、ビル・マーレイムッシュ・アイヴァン、エドワード・ノートンヘンケルス、シアーシャ・ローナンアガサ、ジェイソン・シュワルツマンムッシュ・ジャン、レア・セドゥクロチルド、ティルダ・スウィントンマダムD、トム・ウィルキンソン作家、オーウェン・ウィルソンムッシュ・チャック、トニー・レボロリ若き日のゼロ、ルーカス・ヘッジズルーカス・ヘッジズ。