「3D版はボトルシップ」天才スピヴェット うそつきかもめさんの映画レビュー(感想・評価)
3D版はボトルシップ
3D版で観ました。
その世界観と、小物に至るまで作りこまれた美術が最後まで飽きさせずに見惚れてしまう素敵な映画でした。
少年の目を通して見える世界はどこか「いびつ」で独自の価値観に支配されていて、家族全員がそれぞれの価値観に従って生きているさまはユーモラスで、乾いた笑いをもたらしてくれます。
なぜ少年が旅にでたのか。
母親は、なぜすべてを投げ出して研究に没頭したのか。
父親はなぜ何もかもに無関心でいられるのか。
姉はなぜ行動に移さないのか。
ていねいに、それでいて、しつこくならずに、きちんと描いてあります。
それどころか、登場するすべてのキャラにそれぞれの世界観があり、極めてリアルに作りこんであります。
それが絡み合ったときに、大きなストーリーの流れが出来上がり、深い感動を覚えました。
心にしみ込むような、滋味の深い一本です。
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