劇場公開日 2014年5月24日

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「私にとってはキネマ旬報第115位の評価以上のネルソン・マンデラ史作品だった…」マンデラ 自由への長い道 KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0私にとってはキネマ旬報第115位の評価以上のネルソン・マンデラ史作品だった…

2022年9月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

先々月、
「インビクタス/負けざる者たち」を観て、
余りにも完成されたマンデラ氏の人間像、
以前は武装闘争まで行った彼が、
長い勾留期間も含め、どのような経緯で
あのような優れた人物像に
成長し得ることに至ったのだろうと
思っていたところ、
近所の図書館にこのDVDが置いてあったので
そのヒントを求めて初鑑賞した。

そして、この作品は丁度「インビクタス…」の
冒頭に繋がるまでの内容であることが
分かった。

さてこの作品、残念ながら、
マンデラが「インビクタス…」で見せた
人間性・寛容性がどう培われたのかは
良く分からなかった。
この作品から受ける私の想像だが、
彼は弁護士時代からリーダーになるべく
素養があったような印象も受けたし、
そのタイミングでの国づくりには
白人への寛容性が無ければ上手く機能しない
と判断した現実的な政治決断だったのでは、
との思いに至った。
もちろん、彼の強靱な精神力があったことは
論を俟たないと思うが。

当時のことは、
子供心にかすかに覚えていて、
アパルトヘイト政策のために
世界的孤立を招いていた南アフリカが
その打開策の一環で白人政権が
マンデラを釈放したことが思い出された。

しかし、更にこの作品では、
デクラーク政権は、
マンデラ大統領を生むべき政権として
発足したかのような見方もあったこと、
また、その過渡期では黒人世界が
割れていたことも知ることが出来た。

この映画は
「ブーリン家の姉妹」の監督作品と知ったが、
この作品の方が
良く出来ているように感じる。
いずれにしても、ネルソン・マンデラ史を
しっかりと学ばさせていただくことの
出来た私にとっては、
キネマ旬報第115位以上の
価値ある作品となった。

KENZO一級建築士事務所