「後篇が待ち遠しい」ソロモンの偽証 前篇・事件 いっちーさんの映画レビュー(感想・評価)
後篇が待ち遠しい
題名通りの完全な前篇なので、作品としての評価は後篇を観てからだが、現時点でも力作だと感じた。
特に思った点は、目を疑うような暴力が非常に生々しく写されるシーンがあり、その理不尽さに心が震えたが、現実に有るこういう壮絶なイジメ(暴力)を、ぼやかさずに真正面から描いている点に感心した。
キャスト面では藤野涼子、石井杏奈、富田望生、板垣瑞生、清水尋也ら生徒役の若手俳優の力強い眼差しや本気のオーラがひしひしと伝わってきてとても刺激的だった。
それに加え、大人役を演じる夏川結衣、永作博美、田畑智子、市川美和子、黒木華、松重豊、安藤玉恵など脇を固める豪華役者陣も軒並み上手く、
中でも一番驚いたのは黒木華の凄さだ。
序盤に黒木演じる担任教師が出てきた時、まず「幕が上がる」の吉岡先生との違いに驚かされた。確かに俳優女優というのは色々な役を演じ分ける訳だが、それを踏まえても同じ人間が演じているとは思えないレベルだと感じた。
そして、途中からの狂気じみていくあの表情。正直、寒気がした。恐ろしかった。黒木華という女優の凄さと恐ろしさに奮えた。
また、刑事役で登場する田畑智子も印象深い。自分が知らないだけかもしれないが、あんなキリッとした田畑智子は初めて観た。
それにしても、「後篇・裁判」の公開日まで、あと1ヶ月以上待たなければならなく長すぎる。後篇公開までに、アメリカの裁判映画を何本か観ておこうか…。
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