劇場公開日 2015年3月7日

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「偽善者からの脱却。謎解きよりは人間ドラマ。」ソロモンの偽証 前篇・事件 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5偽善者からの脱却。謎解きよりは人間ドラマ。

2015年3月9日
PCから投稿

悲しい

怖い

難しい

【賛否両論チェック】
賛:大勢に流されることなく、やりたい・やるべきことを自らの手で成し遂げていこうともがく中学生達の姿が、非常に印象的。後篇に含みを持たせる終わり方も見事。
否:前篇だけの印象では、事件そのものの謎は全くないので、ミステリー好きには逆に退屈かも。過激ないじめのシーンやDVのシーンがあり。

 中学生という、大人の都合によって左右されがちな年代にあって、自分達のやるべきことを自分達の手で切り開いていこうと決意する主人公達が、とても強くて印象的に映ります。「学内裁判」という異例の事態とあって、教師達の妨害があったり、モンスターペアレントからは激しい反発があったりと、前途は多難。それでも負けずに立ち向かっていく姿に、大人にはない凛々しさすら感じさせてくれます。
 続き物なので、当然ながら前篇だけでは全部は分かりませんが、前篇だけでの印象では事件そのものの謎ではなく、どちらかというと動機や人間関係の面での謎が残ります。ですので、ミステリー好きにとってはむしろ退屈な作品という感じかもしれません。その辺りが後篇でどう展開していくのか、期待ですね(笑)。
 結構過激ないじめのシーンやDVのシーンがあるので、そこだけご注意を。

映画コーディネーター・門倉カド