劇場公開日 2014年4月5日

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「学生演劇サークルの下手糞なオマージュ作品。全体的に見苦しい。」THE NEXT GENERATION パトレイバー 第1章 Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5学生演劇サークルの下手糞なオマージュ作品。全体的に見苦しい。

2014年4月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

寝られる

酷かった。本当に酷かった。

総監督 押井守で実写化。
設定は押井守 作の小説「番狂わせ 警視庁警備部特殊車輛二課」。
この時点で嫌な予感しか無かった本作。
蓋を開けてみると想定の倍以上に酷い出来でした。

まず画面に映る登場人物達が酷い。
名前の酷さは小説「番狂わせ 警視庁警備部特殊車輛二課」を読んだ2011年から分かっていたので横に置いたとしても。
画面に映る人達の演技が総じて酷過ぎ。

特に酷いのが整備班。
パトレイバーと言えば裏方である整備班が日常に根差した隣人、いや同居人として大活躍。
レイバーの搭乗者である特車二課の面々とはまた違った魅力を持つ集団…だったのですが。
本作では単なるノイズ。
格好はコントの整備士。
意味もなく走り回り、他の整備士とブツかり、傍で昭和の中学生のように燥ぎ。。
見苦しさ以外の何物でもなく、これを面白いを思っているのであれば作り手達の感性を疑うレベル。
エピソード0の唄と踊りはこちらが恥ずかしくなる噴飯モノ。
肝心要の特車二課の面々も総じて酷く、学生演劇サークルの内輪ウケ演劇擬きを観ているようでした。

また設定も酷い。
作品評価的にも“栄光の”一代目を汚さぬよう関わり合いの無い三代目を据えてはいますが。
共通する登場人物シバシゲオのコレジャナイ感。
千葉繁 御大が登場している点は嬉しかったですが、“整備の神様”の後継者がこの体たらくで良いのか!?
特にエピソード0の冒頭部分。
私が知っているシバさんはあの状況を甘受する人物じゃない。
あれで喜ぶような、皆にあんなことをさせる下衆な糞野郎ではなかったはず。
『整備班の面々が尊敬の念から自主的にやっている』雰囲気が出ていれば、また違った印象でしょうが。
若干の畏怖の念も含まれた下手糞な演技だったため、年嵩に胡坐をかいた嫌な奴という印象しか受けませんでした。
いやいや、そういうヒトじゃなかったでしょう。

その他、色々と挙げていくとキリが無いのですが。
それでも実物大パトレイバーが格好良く動いてくれれば帳消し。
98式AVイングラムが敵と格好良く闘ってくれれば、いや、せめて格好良く動いてくれれば。
…という、唯一の希望も打ち砕かれました。
本作、殆どイングラムが動かない。
総監督は色々と理由を付けてはいますが、おそらく実物大イングラムを作った時点で資金が切れた。
イングラムが動かない動かない。
動いた!!!、と思っても一瞬。しかも同じ動作の繰り返し。
フルプライスでCG数が少なく大炎上した「銃騎士 Cutie☆Bullet」と同じ状況にも関わらず、何故皆が文句を言わないのか理解出来ません。
鑑賞料金が若干安かったからでしょうか??
映画「ミニパト」でシバさんが解説していた銃弾の軌道/結論が示されない御粗末過ぎる顛末には言葉を失いました。

何より98式AVイングラム改造版の顔が非常に格好悪い。
“趣味”の世界でトップを張るイングラム。
資金難/パーツの寄せ集めだとはいえ、その顔を敢えてダサい方向に改造する理由が全く分かりません。
あの猪木のような顎は何!? どういう機能を持った部分なの!!?
アレを98式AVイングラムと観るのは抵抗を覚えます。

学生演劇サークルの下手糞なオマージュ作品のような本作。
作り手側が意図していない見苦さばかりが目に付く作品に仕上がっていました。
個人的な想いとしては映画「パシフィック・リム」を30万回観た上で、漫画版 廃棄物13号の話を是非実写化していただきたい。
何ならデルトモ監督に託した方が我々が求めるモノが出来る気が。
そろそろ押井守の名前だけで金を出すスポンサー連中は考えを改めた方が良いと思います。

押井監督、及び本作に関わった方々のみ、オススメです。

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Opportunity Cost