「新しいジブリを感じる意欲作」思い出のマーニー nacさんの映画レビュー(感想・評価)
新しいジブリを感じる意欲作
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期待以上に面白かった。
『借りぐらしのアリエッティ』で監督デビューした、米林監督の第2作。これからのジブリを背負って立つ米林監督が、宮崎監督の力を借りずに仕上げた作品がどんなものであるか、興味深く鑑賞した。
結果、良い意味でジブリっぽさを裏切りながらも、しっかりとジブリ色も残した、新しい可能性を感じる作品だったように思う。
異色な点として、以下の通り。
・主要な登場人物は女の子のみ(男子は登場しない)
・主人公が異様な程暗い(ほぼ病的)
・ファンタジー要素は皆無
これだけでもジブリ作品としてはかなり挑戦的だと思うが、最後はしっかりとジブリ作品を観た爽快感が残っている。音楽のチョイスや敢えて男の子を登場させなかった設定など、今までたまに感じることのあった変な押し付けがましさは感じるところなく、自然と感情移入させる上手い演出だった。
今回作画監督についた安藤氏、美術監督についた種田氏の助けもあってか画像の美しさも際立ち、すべてにおいてアリエッティよりレベルが上がっていると感じられた。
宮崎監督が天才肌の独裁的なリーダーであるならば、米林監督は全員の個性を生かし、まとめることが上手いタイプのリーダーだろうか。これからの活躍が楽しみだ。
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