「受容の映画」思い出のマーニー 時村さんの映画レビュー(感想・評価)
受容の映画
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アリエッティだけを観てこの監督を評価してはいけない。すべてが前作から飛躍的に成長していて驚いた。まず杏奈のキャラと行動がとにかく繊細に描かれていて惹き付けられる。自分でもどうしていいかわからなくて追い込まれている杏奈。杏奈が嬉しそうにしてると私も嬉しくなり、苦しむとわたしも悲しくなった。そんな杏奈の心情を理解して、干渉しすぎずしかしトラブルを起こしても必ず味方になってくれる大岩夫妻の暖かさも非常にうまく表現されていて感動した。杏奈がマーニーを赦す場面、一般的に人が受容されるシーンは感動を生むが、今作ではそのシーンにマーニーの謎を織り込むことによってただのお涙頂戴ではない重奏的な感動を呼んでいて泣けた。あの瞬間杏奈自身も救われたんだろう。そして杏奈が最後に確かな成長を見せることで後味良く終われていたのがうまいなと思った。Wヒロインのキャラデザもすごくよかったです。
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