「嘘つきはなんとかの始まり」ある過去の行方 じょにーさんの映画レビュー(感想・評価)
嘘つきはなんとかの始まり
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登場人物の共通点は、皆、愛に飢えていることだと思う。皆、満たされていない。愛されたいから嘘をついて、自分の身を守るために真実から遠ざかる。唯一、嘘のつき方がわからない子どもの、母親に対する想いが印象深く残った。
終盤で人々が、ついに現実と向き合うシーンは、開けたくなかった箱を開けてしまったような気分。でも箱を開けたことで、それぞれが一歩を踏み出せる。「くさいものにフタ」状態の自分にとって、心地よい映画である。しかし、箱を開けたことで、誰もが満たされるわけではない。一組の夫婦の愛が思い出されただけだ。そこらへんの後味がほろ苦くて甘い。
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