「終生忘れ得ぬ最高傑作」悪童日記 湯の香さんの映画レビュー(感想・評価)
終生忘れ得ぬ最高傑作
両親から離れ、つらく当たる祖母のきつい言葉やびんたや朝から晩まで、こき使われるつらい日々。痛みやつらさに負けてはいけないと双子の兄弟は思った。二人は互いに顔面や腹を殴り合ったり、互いにムチだかベルトだかで倒れるまで打ち続け、悲しみやつらさや痛さなど平気でいる訓練を毎日重ねる。
厳しい環境で過ごす日々ではあるが少女が出て来たり、年上のうら若き女性と裸で湯浴み(ゆあみ)をするシーンなどがあり作品を幅広い豊かなものとしている。主人公の双子の正面から目を見据える、にこりともしないゴルゴ13風の表情が作品を引き締めていて実によい。
それは、私にとって生きるための秘訣を教えてくれた作品である。
上映開始と共に映画の中に引き込まれ、映画であることを忘れさせ、実際のドキュメンタリー、実録映像のように感じながら、終了した。
私にとっては、生涯出会った中で最高の映画の一つになった。
この小説の作者には、三部作と言われる小説が3作品あるそうです。チャールズ・ディケンズが「大いなる遺産」だけでなく「荒涼館」などいくつか代表作の小説があるのと同じように、他の2作品も面白い小説なのであろう。
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