「矛盾を補完出来ていない」闇金ウシジマくん Part2 スーパー仁くんさんの映画レビュー(感想・評価)
矛盾を補完出来ていない
原作から好きな作品です。
滑川役に女性が割り振られていました。
原作通り残忍で凶悪な人柄のヤクザでした。
しかし、それを支えるだけの後ろ盾がなかった。
女で裏社会で暗躍するにはそれなりの武器が必要だが、その説明や裏付けが一切なかった。
一応、原作通りに暴力の面で秀でているということだったが、そんなものいくら強かろうが男には勝てない。
それを補うための何かしらの強みがないと、迫力が出ない。
相澤がビビる姿にも迫真性が出ない。
その辺りの矛盾をほったらかして、強引に進めているのが最後まで引っかかった。
その他にも、待ち伏せた相澤が街角でマサルに絡むシーンがあったけど、すぐ目の前を通り過ぎてから相澤に気付く演出は無理がある。
あと戌井走るの速過ぎ。
失笑が漏れてた。
何にしても、矛盾はほったらかしだし、演出も強引だった。
前作より遥かに劣る出来だった。
山田孝之だけが突出していて、それを活かしきれていない製作陣に腹が立った。
それに、いちいち相澤が車に乗る度に、「シートベルト締めてっと」みたいなセリフ言わせてシートベルト締めさすのは違和感しか無かった。
どっかから、またアホな団体が抗議してくるのに備えて過剰に防衛線を張ってるようにしか見えなかった。
シートベルト締めるのはまだいいけど、わざわざセリフにまで出す必要ない。
そういうのも含めて非常に残念な出来だった。
作品への感じ方は人それぞれだからいいんですが、「シートベルト締めて」に関してはどう考えても警察の目を避けるためということでしょう。シートベルト違反で警察に止められでもしたら車内の異変にも気付かれてしまうでしょうからね。
あまり映画をクリティカルな視点から観過ぎると楽しめないような気がしますが。