劇場公開日 2014年11月29日

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「かなりグロいがテーマは重要。人間の在り方を問う意欲作。」寄生獣 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0かなりグロいがテーマは重要。人間の在り方を問う意欲作。

2014年12月1日
PCから投稿

悲しい

怖い

難しい

【賛否両論チェック】
賛:原作などの知識は不要。寄生生物の存在を通して、人間としての生きる理由や、あるべき姿を問うているのが見事。新一が少しずつ変わってしまう様子も、考えさせられる。
否:人間を食べるシーンなど、グロシーンがかなり多い。

 まず、人間を食べる寄生生物のお話なので、描写はかなりグロいです。CG技術を駆使して、違和感なく寄生生物を表現されています。そんな寄生生物の出現を通して、人間の在り方が問われていくという、ある意味非常に皮肉なテーマです。何のために生まれてきたのか。人間にも寄生生物にも当てはまる共通のテーマを、敢えて人間にも投げかけてくる良子達の姿に、考えさせられるものがあります。ミギーの、
「『悪魔』という言葉を一通り調べたが、最もそれに当てはまるのは『人間』だと思うぞ。」
というセリフにも、深いものがあります。
 主人公・新一が寄生生物の細胞の影響を受けて、少しずつ冷酷に変わっていく様も見どころの1つです。グロいのが大丈夫な方に、是非オススメの寄生生物サスペンスです。

映画コーディネーター・門倉カド
uncle50さんのコメント
2014年12月6日

 貴殿の含蓄深いお見立て、映画への豊富な教養に尊敬の念を感じます・・・・

 さて、寄生獣のテーマはこれまでの人類の社会活動から派生した、深刻な環境問題であ りかっての怪獣映画「ゴジラ」で提起されたものに似ています。ゴジラに比べより重厚 にテーマとその解決策?が提示されているようで、原作者の深謀遠慮が窺われるようで 素晴らしい!と思いました。

 劇場で見ていた女性たちが、初っ端から寄生獣が人間をパクパク食べる場面で、悲鳴を 上げていましたが、単なるグロ映画では無くその背後の問題に気づくべき、大作である 事は間違いないでしょうね。

 パラサイトの人間食いも見慣れれば大した事はありませんよ。完結編ではおせんべいで もポリポリ齧りながら、クールな美女の橋本愛さんのご活躍を鑑賞できればうれしいで すよ。

 若い方がたの達者な演技と優れたCG技術を見られて幸せでした。(^@^)ノ

uncle50