「夫婦って、名犬ジョリーの主題歌「ふたりで半分こ」みたいに分け合えないんですね。」オーバー・ザ・ブルースカイ さぽしゃさんの映画レビュー(感想・評価)
夫婦って、名犬ジョリーの主題歌「ふたりで半分こ」みたいに分け合えないんですね。
全身タトゥーのエリーズ(ヴェルル・バーテンス)と、カントリー歌手でバンジョーを演奏するディディエ(ヨハン・ヘルデンベルグ)全く似てない二人が出会って、結婚、娘が生まれる。
しかしその娘は(恐らく)白血病で早くに亡くなるる。
抗がん剤の治療は、髪が抜けて、むくんで、面影がないくらいに変わりますよね。
夫婦のその悲しみは、名犬ジョリーの主題歌「ふたりで半分こ」みたいにならない。
夫婦はそれぞれの悲しみに押し潰され、自分の悲しの方が相手より勝ると証明、つまり相手を責め続ける。
ディディエは神を憎み、世の中を憎み、その怒りは、神に救いを求めるエリーズに向けられる。
出会った頃の幸せな二人、幸せな家族3人、病気で苦しむ幼い娘、口論しあう夫婦などが、カントリーミュージックが流れる中、交互に切り替わる構成。
こんなふうに、自分の悲しみだけでいっぱいいっぱいになれる人はいいな。
こうして、自暴自棄になれる人はいいな。
私はどんな時でも、自分の悲しみは脇に置かなくちゃいけなかった。どんな時でも、家族に責任があった。
エリーゼの「愛する者を持つべきではなかった。愛する者を持ったから、それを奪われてこんなに苦しい」って気持ちがよく分かる。
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