「どんなに壁を築いても。」ジュラシック・ワールド ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
どんなに壁を築いても。
あれだけ犠牲者を出したのに開園して大盛況しているパークの悪夢。
22年前の一作目(懐かしい~)へのオマージュたっぷり、ラプトルも
ウー博士も何やら壊れかけた看板もジープも出てくるから楽しめる。
物語には進化ゼロ(この方が面白い)いかにも~な登場人物ばかりで、
どんどん喰われる。喰われるといえば並行して公開されている巨人、
あれにも高壁がどうのという事態が発生する。そもそもこのパーク、
あんなハイブリット種を先に作っておいて今ごろ壁の高さがどうの
じゃねーだろ!?と経営者をぶっ飛ばしてやりたくなるいい加減さ。
もう冒頭から専門家のオーウェンの台詞に頷きっぱなし。ペットじゃ
ないのよ、恐竜は。幾ら飼育して慣れ親しんだとしても、腹がへりゃ
人間も襲うし、現に動物園の猛獣だって飼育員を何回も襲ってるのに。
気を抜いたら終わりですよね、松島トモ子さん!つい頭をよぎった^^;
まぁしかし…映像技術の進歩の素晴らしさ!当時でも凄かった恐竜の
動きがさらに滑らかでヌメヌメゴツゴツした質感もとってもリアル。
ドラマが深くない分、たっぷり映像アトラクションで楽しめる構成に。
そして開園しているのもミソで来場者が襲われるというパニック要素
も満載。翼竜によるパニックなんてまさに「鳥」だし、乳母を頼まれた
秘書?があの運命っていうのもあまりにも悲惨^^;色々と怖いんだけど、
これでもかとつけ狙うしつこさはやっぱりスピルバーグの方が上かな。
逃げ続ける悪夢と緊迫感はあっという間に喰われちゃうと生まれない。
凶暴なインドミナス・レックスもまぁ怖いんだけど、やっぱりラプトル
がどういう選択をするのかが一番の見所で一筋縄でいかない恐ろしさ。
でも愛らしい名前までつけられてあんな目をされると、確かに難しい。
(異性人や動物や恐竜とも仲良くできるC・プラット。って凄いわねぇ)