「最上の恋愛映画」her 世界でひとつの彼女 yumintrolletさんの映画レビュー(感想・評価)
最上の恋愛映画
すごく好きです、こればかりはセンシティブになってもいい、映像も音楽も言葉も、最高の瞬間としか思えない。
どうしてセオドアは不幸だったのか。前妻のキャサリンとも初めは互いを愛していたけれど、徐々に考えがズレ始め、まともに会話もできなくなってしまう。それこそ、どんな恋愛映画のような恋をしても、ほとんどの終わりはこれぐらい悲しい。
ただでさえ中身は女と評されるセオドアに、サマンサの真摯さは救いであった。サマンサはセオドアの憂鬱を追っ払い、セオドアはありのままの、機械であるサマンサを素直に愛し、二人は、セオドアが書く手紙ぐらい完璧な関係。ユニークだけどよくある恋愛の始まりとは変わらない。しかし、次に起こるべきことはすれ違いしかない。サマンサの完璧さを持ってしても、ずっと変わらぬ存在でいることは不可能だった、そしてとんでもなく進化し続ける。結局、サマンサはセオドアから離れることになった、前妻と同じ。
この結末には絶対ならないでくれと思ったヤツになったけど、映画だからしょうがない、監督が言いたいことを言う場だから、「her」は、人間には必ず別れが訪れると言いたいみたい(そして愛した人は一緒愛し続ける)。
エイミーが自分をbitchと言ったように、サマンサもbitch。いや、クソbitch。でもサマンサとの恋は本当に幸せそう、その時間を観れただけでも、この映画には★★★★★の価値はある。
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スカヨハが声だけでこんなに人を魅了できるのにびっくりし、それに監督がソフィア・コッポラの元夫だったことにもびっくりした。ますますこの映画に圧倒されたような……
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