「にゃーん」インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌 nok0712さんの映画レビュー(感想・評価)
にゃーん
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猫好きが見ると楽しめると言う宣伝文句をあるが
まま信じると、とんでもないショックを受ける。
(まさにアクシデントのように!)
本当に何をやってもちっともいい方向に転がらない。
世間が悪いのか、それとも彼の生き方が悪いのか。
舞台は60年代のアメリカ、日の目を見ないシンガー
ソングライターの男は毎日知り合いに寝床を借りて
生活していた。レコード会社に所属しているが、
売れる様子は一向に無い。寒い冬に羽織るものも無く、
しかしコートは不要だと強がる。
夜な夜なパブでフォークを弾き語り、友人の彼女を
寝取り孕ませ、寝床の世話になっている大学教授の
友人に暴言を吐く。
彼の生き方は猫そのものだ。
猫のように自由気ままに、ドアが開けば外に飛び出し、
寒くなれば温かい家に転がり込み、時には別人に
間違われ、最期は車に撥ねられる。
ルーウィン・デイビスの中には、ちっちゃいプライド
がたくさん詰まっていて、時にそれは気まぐれに
奮い立たせ、時にそれはきまぐれに周りに爪を起て、
時にそれはきまぐれに友人の死を悼む。
(100万回くらい!!)
ただ、彼は猫じゃない。
もし彼が猫だったなら、世の中をこんなに生き難く
過ごすことなく、自由きままに歌を歌い続けていた
事だろう。
にゃん、にゃん、にゃーん。
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