「長い長い人生という旅」インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌 にゃろめさんの映画レビュー(感想・評価)
長い長い人生という旅
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音楽がとても良い。さすがでした。オーブラザーと同じくらい良い。当たり前か。
当時の音楽的な背景や、NYの空気感は知らないけれど、自分も経験したかのように感じられた。
才能があっても時代の波に乗れず、音楽だけでは食っていけない。日銭欲しさに後の印税を手にできない、ボブ・ディランになれなかった男。行く先々でもプライドか邪魔し、運にも見放されるなにも掴めなかった一週間。
名脇役の猫の名前がユリシーズと知って、ハッと気づく。そうか、人生とは長い長い旅なのだと。(私はユリシーズもオデュッセイアも未読ですが)
ここから世界を大きく変えていくボブ・ディランの影でルーウィンの旅路の果ては?
冒頭とラストで同じ歌を歌い、スーツの男に殴られる、結局変わらない一週間の繰り返しなのか?
いや、ルーウィンは長い旅路の果てに帰還するであろう。音楽というオデュッセイアのごとく。
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