「深い余韻の残る良作でした」インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌 Haishさんの映画レビュー(感想・評価)
深い余韻の残る良作でした
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売れないフォークシンガーのキツキツの一週間が描かれています。
スペクタクルが起こるわけでもないし、感動の結末があるわけでもない。全体的に閉塞感が漂い、妥協できずに深みにはまっていくルーウィンの姿は、画面とも相まって陰鬱な感じに終始します。
でも、際立つサブキャラ、ところどころに散りばめられたユーモアは秀逸です。製作者や役者陣の、この作品に対する、あるいはルーウィン・デイビスというキャラに対する深い愛情がひしひしと伝わってきます。
はじめのシーンをラストと重ねる演出もいいですが、初めには披露されなかった演奏シーンがラストではきちんと公開され、それがルーウィンの「心の叫び」的に響きます。
音楽はT-ボーン・バーネット担当で、生収録らしいですが、感動的です。劇中の500 MilesやPlease, Mr~のパフォーマンスだけでももう一回見たくなりますね。
コーエン兄弟ものとしてはファーゴやバーバーの次くらいに気に入りました。
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