「殴られて当然」インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
殴られて当然
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総合55点 ( ストーリー:55点|キャスト:70点|演出:65点|ビジュアル:70点|音楽:60点 )
主人公は犯罪者ではないものの、ただのダメ人間である。そのダメ人間の日常を追いかけるだけで、たいした物語の流れもない。ダメ人間の過ごす数日間の出来事を、日記か散文でしたためただけのような作品に過ぎない。
物語が起伏があれば面白いかもしれない。主人公が凄い才能があったり人間性が良かったりして魅力的ならば良かったかもしれない。だがただのダメ人間のくだらない数日間をひたすら見せられて、退屈だし主人公の行動にいらいらさえした。猫も周囲の人も誰も幸せにならない。
最初に突然呼び出されて殴られて酷いなと思ったが、最後にはこんなやつは殴られて当然としか思えなかった。勿論、視聴者にそう思わせるような物語の展開になるように、わざと伏線を張って回収するように作ってあるのだろうが。そういえば『三匹荒野を行く』の映画の広告も猫が帰ってくる伏線だったし、ユリシーズという名前も漂流して帰還するという象徴なのかもしれないが、シカゴに連れていかれた猫のことはどうなのか。
歌は上手かったものの曲は退屈だったし、ただそれを劇中で聞かされるのに随分時間を取られるのも嫌だった。登場人物の演技は良かったし、ダメ人間の日常に興味を持てる人ならばいいのだろうが、自分には合わなかった。
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