「ドラえもんであることにあぐらをかいた映画」STAND BY ME ドラえもん はいろうさんの映画レビュー(感想・評価)
ドラえもんであることにあぐらをかいた映画
面白くない。確かに泣けはしたけど、ドラえもんじゃなければ泣けない話。
ドラえもんであることにあぐらをかいて話を面白くする努力をしていない。
ドラえもんがどういう話なのかを理解してることを前提としていて、この映画だけで一つの物語に全くなってない。
ドラえもんが未来から来るところから始めるのなら何故ドラえもんが受け入れらる描写がないのか。ジャイアンやスネ夫に道具を使って仕返しをした後、唐突にのび太としずかちゃんがドラえもんと仲良くしている。
ドラえもんなんだなら説明は不要でしょう?と、ドラえもんを製作者側が話のつくりが雑なことの言い訳に使っているのが不愉快。
そのくせ、オリジナルの設定は入れてくる。
冒頭、ドラえもんがのび太を幸せにするプログラムをされるけど、設定に無理がありすぎる。ドラえもんと離れることはのび太を不幸にすることではないのか?
なら、このままドラえもんがいたら、結局のび太の未来が良い方向に進まないと考えたから、苦渋の決断で帰らなければいけないでよかったのでは?
未来のしずかちゃんがのび太を好きになるのが、あれでは絆されただけにしか見えない。
例えば、のび太は猛勉強して、偉大な人物になれたが、それ点以外ではダメな人だから、支えなければと思ったんなら納得はいくがそう言った説明がないため、ただダメな男を好きになるダメな女にしにかみえない。
しずかちゃんの父親との会話も、なぜのび太が良い人なのかを物語中で見せないから唐突すぎる。
それに、未来でジャイアンと仲良くしてるのに、帰ってきた現在で、悪意だけで、のび太と喧嘩したり、ウソをついたりするのを見せられるから気分が悪い。
なら未来のシーンの飲み会シーンであの時のケンカがキッカケで本当に仲良くなれたみたいな話が匂わされていたら、そのケンカも辛いが二人が本当に仲良くなるために必要なものとして見ていられるものになったと思う。
単純に泣ける話をくっ付けただけだから、物語として雑すぎる。独立した物語にするならもっと話を練りこんで、この映画だけでもドラえもんがどういう話なのかを分かるようにして欲しかった。
ドラえもんに頼って、物事を良くしようとする努力をしないって、この映画の製作者がのび太じゃないか!!