「英雄犯の哀れ。」アクト・オブ・キリング ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
英雄犯の哀れ。
真のグロテスクを映像だけでなく心理的に表現している作品。
大量虐殺を英雄気取りで語り演じる年寄り勢。自身の孫にまで
虐殺再現場面を見せる愚か者が自分の犯した罪にえずき出す。
今さら「かもしれない」では100万人の亡者が浮かばれないが、
国を挙げてあの持て囃しぶりでは、本人達が自分のしたことを
重罪だなんて思う筈がない。監督は初め被害者側を取材するも
当局に断られ今度は加害者側にカメラを向け彼らに演じさせた。
映画の反響によりついに政府が大虐殺を認めるに至ったという、
何ともな衝撃作だ。米映画を賞賛し意気揚々と針金を這わせる
主人公の行動が怖いというより滑稽すぎて行き過ぎメイクにも
笑いを禁じ得ない。我は正しいと信じる行動が物々しく哀れだ。
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