「どこまでが演技でどこからが本音なのかが曖昧、という体裁はユニークではあるが個人的には微妙。」アクト・オブ・キリング ハルさんの映画レビュー(感想・評価)
どこまでが演技でどこからが本音なのかが曖昧、という体裁はユニークではあるが個人的には微妙。
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時折挿入されるスタイリッシュで鮮やかな服装の出演者たち。それらはどれも耽美的で過剰なほどに虐殺を行った者たちを美化しているようでもある。彼ら(体制側)の文脈ではあのような世界で生きているのかもしれないが、外から見れば滑稽である。(マツコ似というかそのものにみえるあのオッサンの破壊力はおいといて)
モキュメンタリーのようですらある本作は、語られている歴史的事実が深刻であることさえもあやふやにしている。それは彼らの時に嬉々とした語り口や、ふと自らの残虐性に気づいた際の過剰に見える仕草や振る舞いなどで助長されているのだ。また華僑の義父を惨殺された息子が撮影に立ち会って当時の話を笑いながら(怖れからともとれるが)こと細かく語るシーンなども「これって何なの?」と思わずにはいられない。そしてつまるところそうした違和感や実験的なオリジナリティが本作の魅力なのだろう。
ただ、個人的にはそのアプローチはさほど響かなかったかな。
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