「根っ子から腐っている」アクト・オブ・キリング 雪さんの映画レビュー(感想・評価)
根っ子から腐っている
虐殺に関わった人間が政治家や地元の有力者となり、今も真実と向き合うことをしない。国営放送が殺人をあのように取り上げるとは驚きだ。カメラが回っているところで平気で市民から金を巻き上げるプレマン。自由の意味を完全に履き違えているのに、恐ろしさからフレンドリーな笑顔をつくるしかない弱者たちが痛々しく映る。
米国も日本も当時虐殺の事実を黙認した。この映画をみると、内側から虐殺を止める難しさと、国際社会の目がいかに重要かがわかる。
終盤リーダー格の老人が後悔や罪悪感を垣間見せるが、撮影が進むにつれ、客観的にどう見られるか意識したもののように思えてならない。
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