「死神ボダッハが見える…!?」オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
死神ボダッハが見える…!?
アメリカの作家・ディーン・R・クーンツの人気シリーズ『オッド・トーマス』を実写化した、サスペンス・ホラー。しかし、本ストーリーの根底には、若き男女の儚いラブ・ストーリーが描かれている。
監督は、アクション作品では定評がある、スティーブン・ソーマスがメガホンをとっている。本作で登場する死神のボダッハの映像は、『ハムナプトラ』でも描いてきたミイラのように、ソーマス監督らしいCGを駆使したグロテスクな映像を見せてくれている。
主人公・オッド・トーマスは霊感が強く、他の人には見えない死に群がる死神・ボダッハを観る能力を備えていた。それにより、人々の死や凄惨な事故を予見することができた。これまでも、警察に協力しながら、幾つかの殺人事件の解決へと導いてきた。しかし、トーマス自身は、この能力を疎ましく感じ、恋人・ストーミーとの、穏やかな生活を望んでいた。
そんな折に、彼が目にしものは、ある男を中心に、街中に群がるボダッハの群れだった。この後、きっと街中を巻き込む悲惨な事件が起きると察したオッドは、恋人のスーミ―と共に、その男の行方を追い、事件が起きないように奔走する。そこでオッドは、あるグループによる殺戮計画が着々と進めらていたことを知るのだが…。
主演のオッド役には、子役でデビューし、その後『スター・トレック』のチェコフ役などでも活躍した、アントン・イェルチンが演じた。だが、彼はこの作品公開2年後の2016年に、交通事故によって,あまりにも若い役者人生を終え、帰らぬ人となった。
また、オッドを見守る警察署長にウィリアム・デフォーが務めていた。彼の存在感は確かに大きいが、彼の演技の良さを十分に発揮できる役どころではなかったように感じた。また、ストーミー役には、お初の女優さんのアンディソン・ティムリンが演じていたが、なかなかチャーミングな演技を見せていた。
ラスト・シーンは、こうした作品には、よくあるサプライズが用意されており、切ないラブ・ストーリーとしてのエンド・ロールを迎えた。