それでも夜は明けるのレビュー・感想・評価
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人間の本質は実に残酷
実話であると念頭に置いて見る必要があるが、後味は決していいものではない。
人間のおぞましくも卑劣で悲惨な行いが歴史には刻まれている。その一片に触れ、考えさせられると共に心が痛む。
映画としてみると、時系列を前後させる構成や、家族や登場人物の紹介やその後、時間経過の描写などもっと欲しい情報はあったが、ソロモン本人の目線、経験で描かれている為、不満に感じる内容も、救われない人たちもこれが実際に行われた史実であると、目をそむけず知る必要があると考える。
教育や倫理観の徹底、正しい法治がされないと、知能が付いてしまったが為に、人間は最も残虐な動物にも成り得る。
この悲惨な歴史を繰り返さないためにも一見の価値はあると思います。
映画「リンカーン」をこの作品の後に見ると、奴隷制度撤廃までの歴史を目の当たりにできると思います。
見てる間しんどい・・
あまりにも酷い・・ 理不尽で胸が苦しくなった・・
人間を自分の所有物と
してやりたい放題・・・
見ていても最初から最後まで悲惨な光景が続き
全然夜は明けないって・・
なのでこの作品は私はすごく長く感じた・・
結構しんどい作品です
でもこの様な歴史があった事実を伝えて行くには
重要な作品なのかもしれません・・
ブラピいいとこ取り?www
自分的、奴隷映画ナンバー1です
すごくいい映画。小生、奴隷映画がなぜか好きで色々見てきたんですが、それらどれよりリアルな奴隷映画でした。考えたんだけど、それはカメラや演出もさることながら、人間性というテーマに対する描写がどれより素直でストレートだからですかね。
主人公が人間性剥奪されてしまいながらあがく一方、ファスベンダー演じる奴隷主が奴隷と対峙して非常に艶かしい。当然だと思ってる人間性が剥奪された世界もあるよ、と言われるより、我々の知りうる世界観で奴隷の世界を表現してしまった監督、すげーって感じです。素直な分、逆にある程度は難しい映画だなって思います。
明日がこなければいいと思う日々
観ながら胃がしめつけられるように痛みました。凄いと思いました。
自由黒人として生活していたソロモンの12年間の壮絶な体験。
奇跡のような生還の後手記を発表したソロモン・ノーサップ、厳しい時代に出版し後世に遺した人達、世界に届く映像作品に仕上げた人達に深い敬意を捧げます。
明日なんかこなければいいと思う日々、でも、祈りはどこにも届かない。邦題はそちらと解釈しておくことにしました。
でも実のところ私が苦しくなったのは、何十年も前に突然始まり突然終わったイジメの感覚が、それをテーマにした学園モノよりも遥かに生々しく蘇ったから。ソロモンの目線でハマりこみました。
ある日突然、人で無くなる。容赦ない眼差し、心ならずも黙って通り過ぎる横顔、痛みを知りながら助けることのできない虚しさ。
最初の主の、誰の心にも届かない説教がHRの風景と重なり、そこは苦笑い。
小さな役の俳優さんまで、この世の地獄の空気までみせる見事な表現だったと思いました。
ブラッド・ピット、なかなか良かったです。この作品においてはあまり旨みのない役を、さらっと演じていました。
人の心から差別と偏見の意識は無くならないのだろうか?
大好きだった「大統領の執事」が公開されて大ヒットにならなかったのが残念だったけれど、こちらの「それでも夜は明ける」はやはりオスカー受賞と言う受賞効果も有ってか、映画館では、久し振りの賑わいの中で、本作が観られた事は自分には嬉しかった。
私は自分でも本当にバカだと思うのだけれども、自分が観て気に入った作品がヒットすると自分の事のように嬉しい、そしてガラガラの空席の多いシネコンで観る映画は何故か気に入らない作品であっても、お客の入りが少ないと淋しく思うのだ。
自分に全く、損得関係無しの事なのだが、やはりどの映画でも有る程度観客で埋め尽くされた映画を観るのは、観客の一人として嬉しいのだが、これは可笑しい事だろうか?
さて本題に話を戻すとこの作品も実話を基に描かれた作品と言う事では、近作「大統領の執事」に続いて大一級の社会派作品だ。
米国に於ける人種差別の歴史を差別されていた側の人種であるアフリカ系の監督が描いた作品と言う事では今迄にない社会的な大きな意義を持ち、物凄く力強いこの作品が出来たと事はハリウッド界にとっても素晴らしい新たな1ページと言える。
そしてこの映画の伝える内容も大切な情報だと思うし、立派な作品だ。だが立派な作品だけれども、私は好きになれない作品だ。
多分、この作品の監督ステーヴ・マックィーンは英国人だから、より冷静にシビアの米国内に於いての差別の歴史を描けている為なのだろうかとも考えた。
彼の前作「シェーム」では余りにも特殊な人間像に驚かされて、映像的にはとてもインパクトが有り、衝撃を受けるような映像タッチで、記憶には残ると言うか、センセーショナルな感じはするけれど、何だか特別な世界観の匂いの方が強くなって好きになれない作品だった。作品の評価はぐっと低い採点を確か自分はしたと思う。
自分でも巧く分析出来ないのだけれども、何故か彼の作品には馴染めない、その原因が知りたいのだけれども、理由が巧く説明出来ないでいる。
こう言う人種差別や、或いは人種に限らず、性差別や階級差別等々、障害者差別なども含めると様々な偏見や差別の中で生きている私達の日常とは、自分でも無意識の内に必ず、何処かで自分も差別と偏見の加害者と被害者の両方を往き来して両方の経験の中で暮らしているように思うのだが、みなさんはどうだろうか?
この作品のプロデューサーをブラピがしていているが、いかにも彼のプロデュース作品と言う気がする。幾多の苦労を経てその苦労が実りハリウッドの大スターとなった彼の生き方それが、そのままこの作品を産み出す要因になっている気がする。彼の私生活が彼の生き方を示している。そして彼が若くしてRRフォードに見出された事も大きな影響になり彼が制作者としての道を歩み始めた要因だと思う。
余りにも観るには辛い作品であった。しかしそれでも現実は更によりリアルなのだろう!
生きて孫を抱く
ジャンゴのいない世界はこんなに酷く腐っていたのか…正義もクソもない。これが真実で生き延びたと分かってなかったら見てられなかった。「ゼログラビティ」然りどんな苦境に立たされても諦めてはダメだ。という作品が指示されるのは、時代が求めてるからだろうな。正面からのカットが多くて漫画的だなと思った。
ふぅう。。。
痛い映画。覚悟はしてましたが、これが実話にもとづくとは。
希望を持つ、ということができること自体がすごいことなんだと。
時代の価値観、人間の残忍さ、差別というものについて改めて打ちのめされました。
ドラマじゃないから
あくまでも実際に過去にあったアメリカの暗い歴史の悲劇を体験談として描いていて、泣かせることもないし同情することもない。ただ忘れてはいけない歴史なんだってメッセージが届くだけの作品。
作品賞と言う事で期待して見ただけに、不完全燃焼した感じ。昔、幼い頃家で見た「ルーツ」のクンタキンテの方が当時の奴隷制度の悲惨さを表現していたと思う。もっと、むごいことが沢山あったと思うし、もっと悲惨な目に遭わされた黒人も沢山いたと思う。KKK団とか白人至上主義のリアルさをもっと描写して欲しかった。
思ったよりも娯楽性が強い
自由黒人とはいえ、それを証明するのは自由証明書という紙切れ一枚。この映画のように悪いヤツに引っ掛かったら人生が180度変わってしまう恐ろしい時代だ。
この作品、実話を元に、この許されざる人権侵害と、何がなんでも家族のもとに帰るという主人公ソロモンの生への執念を描いている。
ただし、全体から受ける印象は人間の性(さが)を込めた娯楽性の高い作品。
たしかに不条理な運命に喘ぐ黒人バイオリスト、ソロモンをキウェテル・イジョフォーが熱演し、人種差別や奴隷制度を批判する内容ではある。
だが、一見優しいが肝心なところで強く出られない主人フォードのベネディクト・カンバーバッチ、鞭打ちに生きがいを感じるサディスティックなエップスのマイケル・ファスベンダーといった面々が、単に話を人道上の問題だけに留めず、人間が持つ狡猾さと残虐性をチクチクと刺激する。
同じように人種差別を根底に置きながらも娯楽作品だと思っていた「大統領の執事の涙」が娯楽性に乏しく、完全に人間ドラマだと思った本作の方が話が沈まないのは、映画作品として2時間を使い切る監督の度量の差と見た。
ソロモンがワシントンからニューオーリンズに送られる外輪船の航跡。スクリューのものとは違って水車がつくる段のある航跡。その段が増えただけ、自由から遠のくように見える。
少しネタバレ
実話なだけにラストがしっくりこなかったりしてストーリー的には納得しづらいが、
主演と助演女優の演技がしみる。
ところどころにはさまる自然の風景が、過酷な奴隷生活との対比となってとても綺麗で自由に感じられる。
お葬式のシーンで歌い出すシーンはよかった。
ナチスじゃないよね?
白人の黒人に対する暴力を描いてますが『シンドラーのリスト』ぞのもので白人に対する怒りが湧いてきますが、考えてみると白人を演じた俳優も相当な覚悟がいるんじゃないでしょうか?日本人俳優が慰安婦相手のリアルな演技するような感じじゃないでしょうか?と思われるくらいヒドイです。
実はスティーブ・マックイーンの作品は近代美術館で拝見したのみでしたが、美術家としてという感覚は全くないので驚きました。
ルンルン♪で観る映画ではない!!
考えさせられる映画だと思う。
ところどころにある無言な時間!
そこに何を意図し、また視聴者は
何を思うのか、とても興味深い!!
奴隷をテーマとして映画が
こんなにも大々的に取り上げられる
ということは、世の中の考え方が
変わってきている証ではないかと思う。
実際の奴隷の扱いは、こんなものでないと聞く!
映画で観るだけでも目を覆いたくなることを
昔は平然と行ってきと思うと人間不審になる。
豊かな世代に生まれてこれたこと
そのこと自体が幸せに思う。
苦しめたのは法ではなく人間だ
ここ数年「ヘルプ 心がつなぐストーリー」「ジャンゴ 繋がれざる者」「リンカーン」と、奴隷制度に関する映画がアカデミー賞にノミネートされていましたが、いよいよと言うかやっとと言うべきか本作が見事に作品賞に輝きました。
この映画は誰が観ても文句なくオスカーに相応しい作品なのではないでしょうか。
オバマ大統領になって変わって来たんですかね…やっと
アメリカの汚点とも言うべき奴隷制度に真正面から向き合ったと思えるスタッフと、本作をオスカーに選んだアメリカという国に心から敬意を表します。
本作の主人公は元々自由黒人だったから奇跡的にでも戻ることができて本当に良かったけど、そうでない黒人のことを考えると、本当に絶望的な気持ちになってしまいます。
人間を所有物だなんてどう考えても酷い話だ。
今日のオバマ大統領誕生まで本当に長い長い年月だったんだと実感したし、肌の色に関係なく人として尊重しなければいけないと当たり前の事を改めて考えた。
しかし差別や拉致誘拐は過去の話ではなく今でもあることだし、肌の色とか国籍とか関係なく何処にでも悪いヤツはいる。
そして可哀想と思ってるだけでは何も変わらないこと、普通の人々が見て見ぬふりをやめ、何か行動を起こさなければきっと何も変わっていかないんだろう。
多分それは簡単ではないと思うけど、せめてNOと言える勇気は持ちたいものである。
奴隷として生きて亡くなられた全ての方々に哀悼の意を、そして今ある自由に感謝を込めて…本レビューを投稿します。
本作を観てから「リンカーン」を観るとまた感慨深いものがありそうですね。
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