「苦しめたのは法ではなく人間だ」それでも夜は明ける harukitaさんの映画レビュー(感想・評価)
苦しめたのは法ではなく人間だ
ここ数年「ヘルプ 心がつなぐストーリー」「ジャンゴ 繋がれざる者」「リンカーン」と、奴隷制度に関する映画がアカデミー賞にノミネートされていましたが、いよいよと言うかやっとと言うべきか本作が見事に作品賞に輝きました。
この映画は誰が観ても文句なくオスカーに相応しい作品なのではないでしょうか。
オバマ大統領になって変わって来たんですかね…やっと
アメリカの汚点とも言うべき奴隷制度に真正面から向き合ったと思えるスタッフと、本作をオスカーに選んだアメリカという国に心から敬意を表します。
本作の主人公は元々自由黒人だったから奇跡的にでも戻ることができて本当に良かったけど、そうでない黒人のことを考えると、本当に絶望的な気持ちになってしまいます。
人間を所有物だなんてどう考えても酷い話だ。
今日のオバマ大統領誕生まで本当に長い長い年月だったんだと実感したし、肌の色に関係なく人として尊重しなければいけないと当たり前の事を改めて考えた。
しかし差別や拉致誘拐は過去の話ではなく今でもあることだし、肌の色とか国籍とか関係なく何処にでも悪いヤツはいる。
そして可哀想と思ってるだけでは何も変わらないこと、普通の人々が見て見ぬふりをやめ、何か行動を起こさなければきっと何も変わっていかないんだろう。
多分それは簡単ではないと思うけど、せめてNOと言える勇気は持ちたいものである。
奴隷として生きて亡くなられた全ての方々に哀悼の意を、そして今ある自由に感謝を込めて…本レビューを投稿します。
本作を観てから「リンカーン」を観るとまた感慨深いものがありそうですね。
コメントする