「黒人奴隷の逃亡は難しかったらしい」それでも夜は明ける 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)
黒人奴隷の逃亡は難しかったらしい
今作は今までに何回か鑑賞している。以前YouTubeで今作の批判動画を見たことがある。その動画では、最後にブラピが善い白人の大工として出てくるのが、結局白人を擁護している等という趣旨の批判だった。今回改めて観てみてその点をどう感じるかと思ったが、別に気にならなかった。白人が主人公のソロモンを助ける流れで何も問題無いだろう。ただ、たしかに彼は分かりやすく善人で、逆に農園主と監督官が極端なクズとして描かれる。その点は人物描写が浅い気もした。
それにしても、アメリカ南部の黒人奴隷の境遇は、死んだ方がマシなのではと思うくらい酷い。前に黒人史の本を読んだことがある。その本によると、黒人奴隷は農園からの逃亡に成功しても、南部を巡回するパトロールに捕まったり、当然店なども利用できなかったりするので、逃亡は難しかったようだ。ソロモンは家族の元へ戻るという希望を頼りに、逃亡を試みず生き抜くことができたのだろう。
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