「マシュー・マコノヒーの、目で表現する生命感が良かったです。」ダラス・バイヤーズクラブ Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)
マシュー・マコノヒーの、目で表現する生命感が良かったです。
非常に良かった。
何と言っても主演のマシュー・マコノヒーが良かった。
「マジック・マイク」でのマッチョな印象、
「ウルフ・オブ・ウォールストリート」での知的で(ズル)賢い印象。
(彼がアカペラで歌う「The Money Chant」が特に良かった)
本作では全てを引っ繰り返していました。
吃驚させられました。
まず体格が素晴らしい。
有名な話ですが本作に向けてマコノヒーは21キロ減量を敢行。
序盤、画面に出てくる彼の姿は不健康そのもの。
というか死に憑りつかれたという表現が適している程に生命感がありません。
特に、目が素晴らしかった。
体や全体が醸し出す雰囲気のみならず、目で表現する生命感が良かった。
明確には理解出来ていませんが、目の濁り具合や瞬きの回数を意図的に変えているように感じました。
序盤と中盤で明確に生命感が違うと感じられるマコノヒーの存在、演技。
彼自身が話に説得感を大いに与えています。
またクラブ運営の相方となるレイヨンを演じるジャレッド・レトも良かった。
当時エイズ患者の多くを占めた同性愛者であり、性同一性障害でもある、という難しい役を巧く演じていました。
話の流れも良かったです。
悲哀感が強くなりがちなテーマを主役であるロンやレイヨンのキャラで巧くカバーしていました。
ロン自身が話を通して成長する点、成長後の彼の人間的な魅力/優しさが表現されていた点も良かったです。
あと「ウルフ・オブ・ウォールストリート」でもあったマコノヒーの自慰ネタ。
本作でも登場します。下らな過ぎて最高でした!!
第86回アカデミー賞で主演男優賞・助演男優賞を受賞した本作。
社会に「くたばれ!」と言われた彼が生き続けようとした姿、是非劇場で観ていただければと。
オススメです。