「豊かな生活」ある精肉店のはなし 古泉智浩さんの映画レビュー(感想・評価)
豊かな生活
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冒頭、牛を街中を連れまわしていくところにすごい違和感があった。その後、屠畜場で額へのハンマーの一撃で膝が折れて、更に神経締めのような作業が行われて、淡々と解体していくところにぐいぐい引き込まれた。
しかし、それが次第に日常の景色であることが分かり、終盤再び屠畜場の場面があった時にはもう、すっかりなじんでしまった。
それはそこで暮らす人々への理解や共感が見ていて抱けていたからではないだろうか。
家族の仕事としてしっかりと地に足を着けて取り組む人々が描かれていた。とても豊かな生活をしている人たちであると思った。
それにしてもあんな住宅街の真ん中で牛を飼っていて、悪臭などの問題はなかったのであろうか。冬場や春先の解体は水が冷たくてきつい作業だったのではないだろうか。
太鼓は同じボディを300年も使い続けているという、人々の営みの歴史が刻まれた道具であることに驚いた。
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