劇場公開日 2021年9月24日

  • 予告編を見る

「正直長かった、伝わってくるものはあったけど」チョコリエッタ スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5正直長かった、伝わってくるものはあったけど

2016年12月27日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

難しい

寝られる

たぶん苦手系の映画だろうなとは思いつつも、森川葵&菅田将暉に惹かれて鑑賞してみたら、やっぱり苦手系でした、しかも2時間40分、ただでさえ長いのに、より長さを感じるような気だるい作風には、ホント参った、長かったなぁ・・・。
このテンポ、このダラダラ感、あえてこうしたのかもしれませんが、見ている方は結構辛い。
まあ勿論、この作風にしたことで思春期特有のモヤモヤっとした雰囲気・感情は十分出ていたと思いましたけどね、でももう少しコンパクトに出来なかったものか、作った側はかなりの満足度なんでしょうけど、見る側の感情はそこまで・・・。

とりあえずこの映画は、かなり3.11の影響を受けた映画のようですね。
だからこそより先が見えない、若者が未来を描けない社会になっていたのでしょう。
主人公・知世子の母が事故で亡くなった年もドンピシャでしたし、愛犬の死も含めてその喪失感たるや、森川葵の好演も相まって物凄く伝わってくるものはありました。
丸坊主にした役作りも凄い、そしてあの脱力感、犬になりたい、何者にもなりたくない、モヤモヤっとしたその感じ、空気感は、作品の軸としてホント素晴らしかったと思いました。

逆に菅田将暉は珍しく受ける側、いつもは森川葵が演じたキャラ側の役どころが多いのに、今回はちょっと珍しかったですね、かなり変人な先輩ではありましたけど、森川葵を見事に引き立たせる受けの演技はさすがの一言。
まあ演じた正岡正宗も、彼なりに喪失感を抱え、未来を生きようとしない人で、いろいろと知世子と共鳴するものがあったからこそ、ああして彼女のわがままを受け入れたのでしょうけど、2人のやり取りは正直ダラダラと長かったなぁ。
2人の演技は見応え十分なんですけどね、話が進みそうで進まず、とにかくもどかしい、そのもどかしさこそが青春と言えばそうなんですけど。

この映画、もしかして永遠に終わらないのでは?とも思ったぐらいでしたが、着地点は真っ当で一安心、岡山天音が演じた同級生が結構いい味出してましたね。
あと市川実和子が知世子の母だったのも、妙に納得感、森川葵の主題歌も作風に合っていて良かったと思いました。
まあ私はフェリーニ映画をほとんど見てないから嵌れなかっただけなのかもしれません。
映画通の方は、時間の長さを忘れるぐらい楽しめる映画だったかも?

スペランカー