劇場公開日 2014年1月25日

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「俳優人の演技が見所」7番房の奇跡 pullusさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0俳優人の演技が見所

2014年2月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

悲しい

劇場で予告編を観たときから期待をしていた作品。予告編だけでもこれが超大作であることはわかった。
本作品は韓国で4人に1人が見ているというから驚きだ。

この映画は“知的障がい者”と“冤罪”という非常に重いテーマを扱っておりながら、ユーモラスで明るい作品に仕上げている。
知的障害という設定を利用し、コメディ要素をふんだんに使い、しかしクライマックスではしっかりと泣かせてくれる。

脚本の構成としてはまだまだ甘いし、冒頭の雑な演出にいたっては不安がよぎったが、それすら目をつむっても良いと思わせたのは、俳優人の素晴らしい演技とキャラクターのたたせ方だ。
主役を務めたリュ・スンリョンは見事に知的障がい者の役を演じきっている。演技があまりにも自然なので、つい感情移入しすぎてしまう。テーマがテーマなので、コメディ要素もあるが、心苦しい人は見るに耐えないだろう。
また子役のカル・ソウォンだが、彼女も主役級によいものを見せてくれた。決して大人にこびない柔軟な表情と愛くるしい笑顔、そしてしっかりとした台詞回し。彼女の演技に心揺さぶられること間違いない。
さらに独房の個性豊かな仲間たちである。イェスン(カル・ソウォン)に文字を教えてもらう番長や、出産をひかえた妻のいる男、それぞれが主役の二人を引き立て、作品全体のコメディ要素にもなってくる。
個人的にはイェスンの成長後を演じるパク・シネの飛びぬけた可愛さに驚いた。

pullus