「ほろ苦い大人の味、甘酸っぱい青春の味」大人ドロップ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
ほろ苦い大人の味、甘酸っぱい青春の味
由、杏、ハル、ハジメの4人の高校生。
由は親友のハジメに杏をデートに誘う相談を持ちかけられる。女友達のハルに頼みセッティングして貰うが、当日その事が杏にバレ、由に対して激怒。気まずいまま夏休みのある日、杏が突然学校を辞め、密かに杏が気になっていた由は杏に会いに行く…。
高校生たちの恋物語を表面にしつつ、様々な感情や経験を経て、大人の階段を登る少年少女たちの心の機微。
淡々としてドラマチックな展開は無いが、透明感のある映像の中で、瑞々しく繊細に描き、静かな余韻に浸れる。
タイトルの意味は、主人公が幼稚園の頃に先生から「大人になる為に必要」と言われて貰った肝油ドロップから。
子供にとって大人は苦い味。大人にとって青春は甘酸っぱい味。(エンディング途中のラストカットがまさにそれ)
キャストが皆、自然体の好演。
由役の池松壮亮といい感じでウザいハジメ役の前野朋哉のやり取りなんて、あ〜こういう奴ら居る居ると感じさせる。
特に女優陣が光る。
杏役の橋本愛。「告白」「桐島、部活やめるってよ」などさすが優等生美少女は適役。
杏の継母・香椎由宇、農家の美人人妻・美波も印象的。
とりわけハル役の小林涼子が魅力も存在感もアリ。
言葉は乱暴だが、根はいい女友達。
一人だけ恋模様から蚊帳の外と思っていたら、良かったね、最後。
実は一番、純粋で一途な娘。
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