レッド・ファミリーのレビュー・感想・評価
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南北分断の果て・・・‼️
南北分断の哀しみを「シュリ」とはまた違った角度で描いた秀作です‼️父、母、娘、祖父という疑似家族を装い、韓国に潜入している北朝鮮工作員たち‼️その隣人である典型的な韓国人家族との交流の中で生じる変化‼️北朝鮮工作員たちの根底にあるのも祖国に残してある家族への思い‼️そんな彼らが隣人である韓国人家族の姿を見て、家族への思いをさらに強くし、監視している上官たちからは危険分子ではないかと疑われる‼️そんな疑いを晴らすため下された指令は、隣人家族の殺害だった‼️しかし親しくなりすぎた工作員たちにはどうしても出来ない‼️祖国に残してきた家族の命と引き換えに自決を迫られる工作員たち‼️監視員たちに銃を向けられた船の上で工作員たちの人間性が "覚醒" するシーンは素晴らしいですね‼️そして工作員たちの上官と思われる男が、親しくしていた韓国人女性に妊娠したからと結婚を迫られ、殺そうとするも出来ず、女性のなすがままになってしまうエピソード‼️そして工作員の娘役ミンジがラストで生きていたことなど、工作員たちの涙の訴えが、上官や監視員たちの心を動かしたのではないかと思わされる、微笑ましい終幕でした‼️
【”工作員である前に人間だ!”北朝鮮に家族を置いて韓国に潜入した疑似家族が、臨家の喧嘩ばかりしているが、絆が深い韓国人家族に感化されて行く様を描くヒューマンサスペンスコメディ。】
■疑似家族を演じながら、韓国でスパイ活動を行う北朝鮮の工作員4人。
彼らの隣には、喧嘩の絶えないごく普通の韓国人家族が住んでいた。
妻役でリーダーのベク(キム・ユミ)は最初は彼らをバカにしていたが、韓国人家族の喧嘩しながらもお互いを思いやる姿を見て、故国に残した本当の家族に対する思いが募っていく。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・北朝鮮と韓国の争いを描いた作品は大変多いが、この作品の魅力は、北朝鮮の疑似家族が密かに韓国に潜入していたという奇想天外な設定であろう。
・観ていて沁みるのは、北朝鮮の疑似家族の一人一人が、北朝鮮に残して来た家族のことを、臨家の喧嘩ばかりしている韓国家族の姿を見て、思い出していき、”自分達は、家族を置いて、韓国まで来て何をやっているのだろう。”と、徐々に自分達に与えられた役割に疑問を抱いて行く姿である。
・今作ではそれを、随所でコミカルシーンを絡めながら描いている所が良い。例えば、韓国人家族の、金遣いが荒く悪徳消費者金融から多額の金を借りていた奥さんの所に、悪徳業者が取り立てに来た時に、北朝鮮の疑似家族が鍛えられた技で韓国人家族に分からない様に悪徳業者を撃退するシーンである。
・彼らを監視する金物屋のオジサンが、ペクに対しては非情なのに韓国人の金物屋の女性にはカラッキシ頭が上がらない姿なども、何だか可笑しい。
<北朝鮮疑似家族が、指示された臨家の韓国人家族を殺せずに捕らえられ、船で連れ去られるシーンは、何とも切ない。娘役ミンジ(パク・ソヨン)以外は、病に倒れたり自害する中、舟は夜の海に出て行く。
だが、翌日、いつものように韓国人家族の息子チャンスが苛められていた時に、敢然と現れたミンジの姿には留飲が下がったし、北朝鮮工作員たちも疑似家族の命を懸けた抗議に心を動かされた事が分かるので、感動してしまうのである。
脚本、製作総指揮を務めたキム・ギドクのセンスが光る逸品である。>
家族は北のスパイだった。真の家族を人質に取られ、南で裏切り者の暗殺...
家族は北のスパイだった。真の家族を人質に取られ、南で裏切り者の暗殺等の工作を行っている。中露北なら本当にあり得そうだ。
このスパイ疑似家族が隣のおバカ韓国家族と交流しながら揺れていく。
ラストのミンジはなぜ?なのだが、甘い、甘すぎる。
ひたすらカナダに逃れた周庭さんが心配になる。しっかり守ってあげてほしい。
こんなに簡単なのだろうか…
ジャンルは皮肉を込めたブラックコメディなのか。。ジャンルによって見方が変わるわけではないが、韓国から見た北朝鮮スパイを描いた感が当然ながらあり、家族を思う気持ちは同じって、一括りにして良いのだろうか。綺麗事では済まないもっともっと、深い情念があるのではないだろうか。コメディで描くことによって、ライトな印象がより強烈に刺さる人もいるだろうが、私にはやはり軽く感じてしまった。お爺さんはどうしてもかまいたち山内にしか見えなかった。
あんな騒がしい隣人はイヤだ(笑)、
家族とか絆とかを表現したいのかもしれんけど、あんなうるさくてキツい隣人はしんどいしそんなことを感じる余地もなかった(笑)
アル中みたいに騒ぐ奥さんとか、いつも家にいるダンナさんがいがみあってるのは、そんなんを見てなかなか「それでも言い合う家族がいるだけいいもんだ」なんて思いにくかった。
確かに家族がいて一緒にいられるだけ感謝はしないといけないけどね。
ま、ストーリーもわかったしおもしろかった。
それにしても、しかし、北朝鮮の工作員やらスパイやらってのも、洗脳されてもいるんだろうけど、なんであんな国のために命かけてやってるんだろ。
みんなで、軍も蜂起してクーデターでもできんもんか。
失敗しては処刑され、家族にも害が及んで、それで庶民は食えずに飢えて、そのうち国民自体いなくなっちゃうんじゃないのか?
食えないミサイルばっか打ってて、そんな逃げだすような国に命をかけて指令だの任務だのやる意味があんのか?
その国の現実に、彼ら自身なにをどう信じてそこまで冷酷にいろいろできるのか。
こういう映画を見るとそう感じてしまう。
工作員の人らにも「せめてもの人の気持ち」があるのがわかるから。
愚かな元首の国に生まれただけで、そこの国民自身まで愚かになることはない。
面白かった
妻役・班長ベク(キム・ユミ)を中心としたツツジ班として家族を装った工作員たち。目的は脱北者と政治犯の暗殺だ。それぞれの家族は北朝鮮にいて、ほぼ人質状態。家族のためにも工作員として全うしなければならないのだ。隣人家族は特に息子のチャンスを中心に次第に仲良くなってゆく。
ある時、夫役キム(チョン・ウ)の家族が脱北して捕まった。この名誉回復のため、ベクは単独行動で政治犯だと思われる人物を暗殺。しかし、その被害者は実は北朝鮮の重要人物だったのだ。この失態のためツツジ班は全員処刑しようと仲間たちは考えたが、隣人家族を全員殺せば許してやると・・・何も知らない南の家族は誘われて無人島へとバカンスに出かける。
結局は隣人家族を殺せない。もう家族の絆が大切だと気づいたツツジ班。しかし、同志たちは彼らを許せない。それぞれの手の甲に針金を通して海に流す・・・ただ、娘役ミンジ(パク・ソヨン)だけは助かった。
(ほぼ備忘録)
ギトク流皮肉
人なんて、一歩踏み入ると全く分からない。家族なんて、所詮は他人の集まり。全世界に共通の家族という共同体へのアイロニーを、北と南を使って上手く表現していました。これ、作品の本質は南北ではありませんよね。
人間の絆が深まるのは決して幸せな時ではなく、命の危険が迫った不幸な時である。恐ろしい真実をメロドラマ仕立てに皮肉たっぷりに描いています。
ギトクの晩年はセクハラ訴訟などがあり、イメージダウンをしましたが、まさかCOVIDで亡くなるなんて。ギトクらしいドラマチックな最期と言うのでしょうか。合掌。
家族への憧れ
あまりキムギドクぽくないなぁと思ってたけど、
ラスト間近の嫌な感じキムギドクでした。
なんか絵が平面的で舞台を見てるような手狭な感じを
受けて、なんとなくコメディの雰囲気を感じたのは
演出なんだろうか?
北のスパイがみんな家族に憧れを持って、
ただ平穏無事に暮らしたいだけと言うのは
痛いほど伝わって来た。
どこか滑稽で感情移入は出来なかったけど、
隣の家族のやり取りを受けて、
船の中、最後の最後に心焦すほど憧れた家族を体験する
と言う演出は素晴らしかったと思う。
朝鮮の南北間にある問題を知るきっかけとなった一本。シリアスな笑でユ...
朝鮮の南北間にある問題を知るきっかけとなった一本。シリアスな笑でユーモラスに刺してくる社会風刺のみならず、映画としての完成度がとても高く、特に脚本が良かった。この映画のテーマは、圧倒的に家族なのだが、どこか平和ボケした南の家族が逆説的に書かれており、おそらく日本国内でも貧困の家族と、中流階級の構造でこの話が成立すると思った。近年の韓国映画に対して、支離滅裂なストーリー展開が多く見受けられる(良くも悪くも)印象だったが、この映画、その印象は払拭された。ラストの伏線回収はとにかくすごい。鳥肌ものだ。見てよかった。
すぐお隣の国のこと
韓国大好きな私ですが、南北でいまだに問題が残り、いつ解決するのか分からないお隣の国のことを、アイドルや俳優の〇〇が、兵役に行くというタイミングでぐらいしか意識しなかったのですが、本作品をみて、決して忘れてはならない本当に深刻な問題だと改めて思いました。
北の人間に拉致された日本人のことを思うと、人ごと、他人事、他所の国のこととは言っていられないはずなのに、やはり、どこか遠い話に感じていました。
でも、本作にでてくる北のスパイの人々は、自分達の生まれてきた運命を嘆く事も、疑うこともせず、ただ淡々と命令に忠実に生きる人間へと教育されてきた姿を見ると、ここに人の命や、人権なんてものが存在しないことを思い知らされ恐ろしくなりました。
遠い昔の話でなく、今現在も、南北の間に埋まらない溝があることが、本当に悲しくなりました。
ギャグのように描くけれど現実は笑っていられない。常に自分の大切な人の命の心配をしながら生きる。
南の人間の暮らしを、人間らしいと思わないか?と問う場面にはぐっときました。
二つのファミリーを比較しながら、笑いあり、涙あり。
とてもうまくストーリーができていて、最後までのめりこみました。
最後はやはりこうなってしまうのかと、悲しい最後ではありましたが、ミンジのおかげでほんの少しだけ希望がみえました、、、
余談ですが、応答せよシリーズが大好きで、特にスレギオッパを演じたチョンウさんにどハマりしたのですが、本作で、やはり気の少し弱い家族思いの優しいジェホンを演じていたチョンウさんにまたキュンキュンさせられました。笑
不自然なところが多いけど割り切って観ればアリ
北と南。表向きは理想だけど疑似の家族、喧嘩ばかりだけど心が繋がっている家族。相対するもののコントラストで「家族の絆とは何か」を鮮明に浮かび上がらせる、非常にメッセージ性の強い映画。
ただ、「こっちの声も丸聞こえなんじゃね?」とかつっこみどころが多い。
酔っぱらって、北朝鮮では口にできない本音を暴露するとことか、安っぽくて単純。
韓国の家族のなじり合いの会話を、北朝鮮の家族が真似るとことか、ストーリー、演出がクサい。
リアリティじゃなくて、メッセージをどれだけ強く伝えるかに偏重させた作品と思えば、納得できるかな・・・。
脚本と設定が秀逸
北の擬似家族と、南のどこにもいる不和で普通な家族。
演劇的な雰囲気が満載で見応え作品、どの登場人物も魅力がある、人格がないように描かれることが多い北側のスパイ、脇役の人物でさえみなスキと人間味を出していてユニーク。休みを与えられた日に見に行った映画が、プンサンケだった。
派手さがないが心に残る。
キムギドク作品
「嘆きのピエタ」を観た時、これ作った人は底意地悪いなあ、と思ったのがキムギドクとの初体験。
今回も何気無く観て後からキムギドクが関わっているのを知り、彼の作家性について考えさせられた。
今作も「嘆きのピエタ」も、表面は悲しい過去とか苦しい現在とかを描いてるが、明るい未来を望めるのは家族有りきである事を大命題にしている。
隣人のおばあさんの言う「最後は家族しかない。死んで後悔しても遅い」という台詞は、それが韓国の家庭でも北の工作員でも、世界中の誰にとっても普遍的な事を、キムギドクは言いたかったのではないだろうか。
特に韓国国民にとっては、北の人もそうだが、半島統一という民族=家族の希望を常に抱いているから、尚更渇望して止まないのであろう。
その意味で今作は、とても素晴らしいテーマを厚かましくなくアピールする優秀なプロットがある。
しかし、映画としての出来はどうかというと、少し難癖付けたい。
常々他の作品で「無駄なシーンが多い」「ここはカットして良い」「作品時間を短くしろ」とか偉そうな事言ってますが、今作のカット割りは余りに不自然すぎ。繋がりは保っているが、ただ「作品時間を短くする為」だけの「ブツ切り感」が多く、少し興醒めしてしまう。それが作品全体を起伏無く淡々と観せてるのかもしれない。
それとラスト。娘もそうだけど、鉄工所のおじさんのその後も教えて欲しかったなあ。
キムギドクなんだから少しは下ネタも欲しかったなあ。
でも改めて、良い話でした。
キムギドクがハートウォーミング物語を書いた。
罵りあうことのできるからこそ本当の家族だという
ペク班長の指摘には意表を突かれました。
本当の家族を北朝鮮に残し、
部下たちと円満な家族を演じているだけの彼女にとっては、
たとえ罵りあう関係であっても本当の家族が羨ましかったのでしょう。
私としては、
血がつながっていてもチャンス一家は
家族として崩壊しているとしか思えないし、
決して羨ましいものではないのですがね。。。
奇抜なアイデアと痛みの物語はキムギドクだと思ったのですが、
今まで観たキムギドクとは少し違う感じがしました。
うまく言えないけど、ユーモアとか暖かさが少し加味されている感じ?
特に、娘ミンジが登場する(制裁されていなかったと観客に明かす)ラストシーンは
のはキムギドクらしからぬハッピーエンド?と思いました。
と思ったら彼は「監督」ではなく「製作総指揮・脚本」でした。
多彩なストーリーテラーのキムギドクだから
こんな感じの物語もつむげるけれど、
でも、自身が映画にしたい物語とは毛色が違うから、
オブザーバ的な立場にいるのかな、
と邪推しました。
今は喧嘩しててもいつかは敬い合う家族(南北)
母、父、娘、祖父。
一見、普通の家族。
しかし彼らの正体は、北朝鮮から来たスパイ一味だった…!
家の外では、仲睦まじくアットホーム。
が、ひと度家の中に入ると、母役を班長とし、命令・階級に絶対服従。
「パパ!ママ!」と呼んでいたのが、途端に「同志!」。そのギャップ。
プロデュース/脚本は、キム・キドク。彼にしては珍しいブラック・コメディ。
でもそこは鬼才、ブラックな笑いで覆い被せたその中に、家族を通して南北の悲哀を浮き彫りにする。
彼らの隣に住むのが、父、母、息子、祖母の韓国人家族。至って平凡だが、両親は喧嘩が絶えない。
よくあるご近所トラブル。
喧嘩ばかりしてる醜態。
当初は見下していたが…。
お隣さんである以上、次第に付き合いが始まる。
喧嘩ばかりしてて決して理想的ではないのに、何故か情が沸いてくる。
あろう事か、“南”に憧れすら抱く。
彼ら擬似家族の北朝鮮スパイたちにも、祖国に残してきた家族が居る。
祖国を離れ、“南”で工作活動をしてるのも、命令で時に暗殺を行うのも、全て祖国の家族の為。
我々が忠実に任務を遂行していれば、家族の安全や生活は保証される。
でもそれって、人質に取られているようなもの。
実際とある失敗をしたら、家族の身に危険が及ぶと脅される。
家族の為とは言え、何故時に家族や自分の命すら危険にさらすのか…?
祖国や偉大なアノ方に忠誠を尽くす事が第一であり全てなのか…?
お隣さんのようにしょっちゅう喧嘩するけど、敬い合う事こそ、家族として人としての幸せではないのか…?
彼らの中で、何かが揺らぎ始める…。
彼らの言動は常に監視されていて、何もかも筒抜け。彼らが次第に“南”に情が移っている事も。
仲間の一人の家族が脱北を計り、彼らや祖国の家族の身がどんどん危うくなる。
個人的に印象に残ったシーンは、彼ら擬似家族とお隣家族とで会食。
南北の在り方についてちょっと言い合いになるが、それが今我々が南北について感じている疑問などの全てを言い表していた。
彼らに最後の任務が。
惑わした隣の家族の暗殺…。
何の罪も無い一般家族を何故殺さねばならない…?
それ以前に、そんな事はもう出来る筈がない。憧れの家族像であり、親しい友人たちなのだから…。
隣の家族の命か、自分たちの命か、彼らの決断は…?
家族として過ごす内に、家族に憧れ、奇妙な絆で結ばれ…。
ラストのあるシーンに、本当の家族のような姿を感じ、目頭熱くさせるものがあった。
今は喧嘩してても、いつかは敬い合って。
それは家族同士も、国と国同士であっても、決して不可能ではない。
コメディではありません
コメディ的な要素を期待しましたが、やはり北はヤバイという内容で最後はただ暗い泣ける話になりました。悪くはないのですが、おなじテーマのシークレットミッション(キムスヒョン)の方が素晴らしく比較して物足りないないので評価は中の上とさせていただきます。
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