ホドロフスキーのDUNEのレビュー・感想・評価
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ホドロフスキーと座禅を一緒に組んだ縁で観ました
日本公開されたばかりの本作を見た(もちろん有料)。
上映館は渋谷の西北、統一協会本部の向かいという好立地。
小さな館内は8割程度の入りか、週末なので観客は多いのだろう。
予告編動画を見ればわかるが
あのデビット・リンチも失敗した「DUNE」を
リンチより先に手掛けようとして、失敗した事実を
現在の時点でインタビュー・構成した記録映画である。
特に絶賛するシーンはなかったが
それなりに面白かった。
氏の映画まで見る必要はないが、ある程度氏の
作品・言動をネットでおさらいしてから見に行くとなお面白いだろう。
氏は当時10代の息子さんをこの映画でデビューさせようとしたが
映画の製作中止で息子さんもデビューの機会を失ったようである。
映画では現在の息子さんもインタビューされているが
ポール・ニューマンを思わせるマスクで
デビューしていたら意外と人気者なっていたかもしれない。
ミック・ジャガー、ダリなど世界的有名人をキャスティングして
セットもカネなど気にせずに作ろうとしたのだから
スポンサーが降りるのも当然か。
名監督と言えども思い通りに映画を撮ることはできないことを
改めて理解いたしました。
アレックス・ハードル名義で製作したら完成してたかも?!
カルト・ムービーの鬼才、アレッハンドロ・ホドロフスキー監督がSFファンタジー小説の金字塔『デューン/砂の惑星』の映像化に挑んだ顛末を振り返る異色のドキュメンタリー。
言い換えるならば、「存在しない映画のメイキング」といったところか(なんかS・レムの書評『完全な真空』みたい)。
豪華なキャストとスタッフを揃え(ホドロフスキー曰く「魂の戦士」)、ビジュアルアート・カタログのような分厚い企画書まで準備しながら実現に至らなかったホドロフスキー版『DUNE』。
でも、企画が日の目を見なかったのは、常識的に考えれば当然の帰結。
大手映画会社の担当重役から「ホドロフスキー監督って、どんな映画作ってるんだ?」と訊かれて、当時試写で用意できるのは、『エル・トポ』(1970)と『ホーリー・マウンテン』(1973)ぐらい。
この二作品観てビッグバジェットに許可出したら、それは勇気・冒険などではなく、単なる無謀、無責任。
ご覧になられた方ならわかると思うが、『エル・トポ』も『ホーリー・マウンテン』も、グロテスクで観念的な表現もさることながら、監督・主演・脚本・音楽を兼ねたホドロフスキーの手作り感満載。彼の経験と手腕でビッグネーム揃いのキャスト・スタッフを統率出来るかは、大きな不安材料になった筈。
会社重役の役割は事業を成功させて利益をあげることにあるのだから、GOサインを出さなかったのは、正当な判断だったと言える。
大ヒット作にS・ライミやP・ジャクソンのような異色の才能を起用する時代であっても、作品の完成は難しかったのでは?
そもそも、独自の世界観を有するF・ハーバートの原作小説の映像化自体、当時はかなりの難事業。
ホドロフスキーの挫折を受けて挑戦したD・リンチの作品も、はっきり言って成功とは言い難いし(ホドロフスキーが関わらなかったのに、皮肉にも、映画はカルトな仕上がりに)、続編を手掛けることなく、一本きりで「撤退」している。
CGをふんだんに使える時代になって実現したD・ヴィルヌーヴの二作品でさえ、納得しない原作ファンは少なからずいると聞く。
原作無視のホドロフスキーの企画が万が一実現したところで、原作ファンからの強い反感や、当時の技術的限界のもとでは、作品中で語られるような高い評価を勝ち得る作品が出来たかは、正直言って未知数。
とはいえ、ポールの肉体が滅びたあとも、民衆が彼の精神を共有するという原作にはないくだりや、クリス・フォスやギーガー、メビウスらがイラストで具現化したイメージの数々を映像作品でぜひ楽しみたいと考えるのは、映画ファンの本能。
「魂の戦士」たちの多くが物故した今、当初の企画どおりの映画化は難しいかも知れないが、最新の映像技術を駆使すれば、リアルなアニメーション作品になら出来そうな気がするのだが?!
今思うに、企画が実を結ばなかった要因のひとつは、やはりホドロフスキーの過去作品のシュールな印象にあった筈。
だったら、彼の関与を伏せたうえで、マカロニ・ウエスタンの初期のクリエーターたちのように、アメリカ人ぽい偽名使ってオファーしていれば、ひょっとして完成にこぎ着けていたかも。
「アレックス・ハードル監督って、誰?」
「そんなことより、キャストとスタッフは一流揃いですから」
「じゃあ、OK」
・・・なんて、そんな訳ないですよね?!
ホドロフスキーの魅力
いつまでもこういう人が生きられる世であれ
未完ドキュメンタリーだが
情熱よりも実績がないと人は信用せず動かないという現実。
ホドロフスキーのクリエイターとしての溢れ出る情熱を存分に堪能できる作品。
アレハンドロ・ホドロフスキーは前衛舞台の演出家から初監督したトンデモカルト作品「エル・トポ」がジョン・レノンなど影響力のあるアーティストにどハマりし評価されたことで一躍時の人となったが、その後の「ホーリーマウンテン」もあくまでカルト的な人気にとどまり、決してワールドワイドで集客できる事を証明したわけではなく、失敗すれば経営が傾くほどの予算をメジャースタジオが認めるまでの実績を得ていたわけではなかった。
本人自身もはっきりと原作をレ◯プするとか上映時間20時間など言っており、ファン目線や商業的なことは一切頭になく、自身の芸術創作を純粋に追求することだけを考えていることからも、個人的にはホドロフスキーのDUNEが成功したとは思えない。
DUNEショックから立ち直った後に監督した「リアリティのダンス」を観ても自分の考えは間違っていなかったと確信する。
ただし、のちに「エイリアン」に美術スタッフとして登用されるダン・オバノンやH・R・ギーガーら、またダリ、ミック・ジャガー、ピンク・フロイドの起用という超絶面白そうなスタッフを口説き落とした情熱は尋常ではなく、デビッドリンチの失敗含め、当時を思い出してラテンのノリで楽しそうに語るホドロフスキーを見るだけでも楽しくなる映画である。
希望と苦悩は紙一重。
幻で終わったSF超大作
脚本も完成、思い通りのスタッフ&キャスティング。
ここまで準備出来たのに、結局は製作中止に追い込まれた幻のSF超大作、アレハンドロ・ホドロフスキーの『デューン』。
しかし、ホドロフスキーをはじめとして、インタビューに答える“戦士たち”は皆一様に楽しそうであり、幸せそうなのがとても印象的。
(ただし、製作中止に至ったくだりを語るホドロフスキーの表情は流石に硬い。)
実現に至らなかったことに対する忸怩たる思いはあるだろうが、この企画に携わったこと自体が喜びであり、楽しい充実した時間であったこと、それぞれの戦士に残したものは大きかったことはその後の活躍ぶりをみれば分かる。
ああ、それにしても、ダリ、オーソン・ウェルズ、ミック・ジャガー、デヴィッド・キャラダインの共演なんて
想像するだけでワクワクするじゃないか!
デヴィッド・リンチの『デューン』もそこまで駄作だとは思わないが、このドキュメンタリーを観た人は誰だって「ホドロフスキーの『デューン』が観たかった!」
と叫ぶこと請け合い。
なかなか興味深いドキュメンタリー
ホドロフスキー監督が、映画化を目指したが断念した経緯のドキュメンタリー。あそこまで丁寧に創り上げて断念したのは辛かっただろうし、後にリンチ監督で製作が決まった時はどんな気持ちだったのか。
新作のデューンを観ようと思い、過去作とこのドキュメンタリーを観ることに。過去作は途中で断念してしまった。このドキュメンタリーは面白く観ることが出来た。ホドロフスキーの過去作品の衝撃度にも驚いたし、創り上げていたデューンの凄いことにも驚き。そりゃあ、あれだけのものは予算的にも無理でしょうし、実際に創れただろうか?出演者にも驚き。サルバドール・ダリ。普通は思いつかないよなあ。観てみたかった気もするが。
ヴィルヌーヴ監督のデューン砂の惑星がどのような作品なのか、観るのが楽しみになった。
ホドロフスキーの情熱
"世界中の人々の価値観をひっくり返す"
デューンを制作することで、映画の枠を超えた芸術的思想は間違いなく世界を席巻し変革をもたらす。
アレハンドロ・ホドロフスキーのビジョンに偽りが無いことは、その熱のこもった語り口からもよく分かる。
ニコラス・ウィンディング・レフンも語っていた通り、ホドロフスキーのデューンが完成していたら世の映画史は大きく変わっていたかも知れない。
音楽を頼もうと訪れたレコーディング中のピンク・フロイドに対して、素っ気ない彼らの対応に激昂したホドロフスキーが
「その態度は何だ!君らは世界一の映画の音楽を作りたくないのか!」
と罵倒した話は、ホドロフスキーの人柄がよく分かるエピソードとして非常に面白かった。
ダン・オバノンやH.R.ギーガーなど、個人的にも大好きなアーティストが関わっている点からも、間違いなく凄い作品になっていたことになっていただろう。
中止後、デヴィッド・リンチが監督した砂の惑星のあまりの出来の悪さにホドロフスキーが喜んだというエピソードは微笑ましくて笑える。
ドゥニ・ヴィルヌーブ版に期待が高まる。
ホドロフスキー熱い!!
もしかしたらこの方が…
とても興味深い作品。64年生まれの自分には80年代のスターログで情報だけはインプット済のホドロフスキー版デューン。その状況が、当事者たちの現在と過去の映像を持って語られる。
メビウス、クリス・フォス、ギーガー、それにダン・オバノン。フランク・ハーバートの原作があるものの、それを具体的なイメージに置き換えた。映画がアメリカ資本の出資を得られず製作中止となったあと、イメージの面での敗者復活戦の様に出来上がったのがエイリアンだし、他にもスター・ウォーズや多くの作品に影響を与えたことは明白だ。
ただ、本当にホドロフスキー版が完成していたら大ヒットしたのか、凄い傑作になったのか、そこには確信は持てないのも事実。
しかし個人的には、総合的にみて何故かこのドキュメンタリーの方がヴィルヌーブ版より面白かったことは秘密。
ところで。今回2021年10月、ヴィルヌーブ版のデューンが劇場公開されたタイミングでアマゾンプライムで見られるようになり、このタイミングならではの大発見があった。ホドロフスキー版のプロデューサーが、ミシェル・セドゥ。セドゥって珍しい名字だなと思って調べたら、案の定、007 のマドレーヌ役レア・セドゥの大叔父。名家だって言ってたもんな。
予習のつもりが若干ハマってしまった
創造の系譜
再映画化の準備2
12時間の映画⁈それはない…
ホドロフスキーは喋りも面白くて
後にリンチが監督した『デューン 砂の惑星』を観たくなくて観たくなくて
息子に引きずられるようにして死に顔で劇場に行った時の話し(笑)
「嫌々観てみたらだんだん元気になった!」あまりにもクソで(爆)
「才能あるリンチがこんな駄作を作るはずがない。製作者のせいだ」
あと食い物で釣ったオーソン・ウェルズの件も
ダリの俺様の話も…何もかも興味深い!!!
立派な本は出来上がった
父親を深く理解する息子も毎度俳優として素晴らしい
若い奥さんはいる猫はいる…もうホドロフスキー万歳!
2022年7月追記
このホドロフスキーのドキュメントを見た時から興味があったので
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の素晴らしい出来に感動した
けどこのヴィルヌーヴ監督のSFはあたしには理解が追いつけず2回見たよ、、毎度2回見なきゃ意味分かんないのよ〜(笑)
そしてホドロフスキーの叩き台も見直した
ついでにリンチのも見た!このディスられてるリンチのが一番分かりやすかった!(笑)
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