「ロスト・イン・デューン」ホドロフスキーのDUNE 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
ロスト・イン・デューン
鬼才アレハンドロ・ホドロフスキーが、フランク・ハーバートのSF小説『デューン』の映画化に挑むも、実現せず。
テリー・ギリアムの『ロスト・イン・ラ・マンチャ』と同じ映画未完成暴露ドキュメンタリーの類いなのだが、こういうのが本編より面白い時がある。
まず…
実は、ホドロフスキーの作品を見た事が無い。多分。
『エル・トポ』『ホーリー・マウンテン』などでカルト的な人気の名匠らしいが…、スンマセン!
序盤でホドロフスキーのキャリアを紹介してくれたのは有難い。
さて、もし実現していたら、スゲー作品になっていただろう。
作品自体の娯楽性と神秘性。
そこに、ホドロフスキーの哲学や芸術性。
視覚効果や美術に、当時の第一人者スタッフ。
極め付けは、異色の豪華キャスト。サルバドール・ダリ、ミック・ジャガー、オーソン・ウェルズ…よくぞこんなキャスティングを思い付いたもんだ!
実現していたら、『SW』の前。『2001年宇宙の旅』と共にSFのレジェンドと呼ばれ、SF映画の歴史は違っていたかもしれない。
実現出来なかったのに、それを笑い話として語るホドロフスキーの姿が印象的。
本当は、悔しかったんだろうなぁ…。
今こうして幻の作品となり、代わって『SW』がSFのレジェンドとなっている。
映画的に言えば、これもまたドラマチックな運命なのかも。
『デューン』はその後、デヴィッド・リンチ監督で映画化されたが、ご存知の通り…。
今度、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督で再映画化。
鬼才を唸らせるような傑作を、期待してます!
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