「普通wのSM的性愛心理劇」トム・アット・ザ・ファーム 徒然草枕さんの映画レビュー(感想・評価)
普通wのSM的性愛心理劇
LGBTQをめぐる社会的偏見を問う作品かと思えば、どんどん奇妙な展開になっていく意外性が面白い。
ここで監督演じる主人公を女性に置き換えると、この映画の本質が普通wのSM的性愛心理劇だということが分かる。
映像は美しいものの、登場人物やストーリーに興味が持てず、小生はちょっとご遠慮したい…という感じである。
補足)
他のレビューを見ていて、兄・フランシスのジャケットや言動、エンディングの曲などから、本作には力を背景に諸外国に影響力を及ぼしたり、支配したりしている米国批判の暗喩があることに気が付いた。
しかし、そんなことを言い出せば、中国やロシア、イスラム諸国の方がよほど問題だろうし、性的問題に限って言えばなおさら、米国の方がそれらの諸国より遥かに寛大であろう。
それを無視してことさら米国批判を行うなら、逆に政治的な無知を露呈するのではないか。
また、つまらない政治的メッセージを挿入することで、作品は心理ドラマ性を希薄化させ薄っぺらい印象を与えているような気がする。
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