「自分が自分である、とは何なのか?」ゲノムハザード ある天才科学者の5日間 yamappleさんの映画レビュー(感想・評価)
自分が自分である、とは何なのか?
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好き嫌いが分かれているみたいだが、私は素直に面白かった。
基本的にこの映画の構造は、
[What どんなことが起きていそうか]
については、冒頭の20分くらいで分かってしまう。主人公が、どうやら2人の人格の記憶を持っていて、それが遺伝子やウイルスに関係していそうだ、と。
その後、ストーリーが進むにつれて、
[Why なぜ彼がそんな風になったのか]
[How どういう仕組みなのか]
が解明されていく。
なので、解明過程を楽しめる人には良いが、オチが分かるからと矛盾を指摘するタイプの人には向かない映画ではないか。
どうしても創作的な要素があるので、細かい設定を見て行くと、都合が良すぎたり、会話の言語に違和感を感じる部分はあるが、骨となるいわゆるウイルスの構造については、非常に面白い設定だと思ったし、近未来的な要素を含んでいると思う。
この映画をみて感じたことは、「自分が自分であるとは、どういうことか?」ということ。人は他人の記憶を持てば、自分ではなくなるのか?
この点に対して深い示唆をしている作品ではなかったけれど、器(体)、記憶以外に、自分だと言えるものはどこから生まれているんだろうなあ、なんて考えてしまった。
西島秀俊さんは相変わらず好演だったし、映画館で観て私は良かったと思う。
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