劇場公開日 2013年12月14日

「歓びの歌声」バックコーラスの歌姫(ディーバ)たち 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0歓びの歌声

2016年6月20日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

興奮

幸せ

↑そんなタイトルの作品があったかもしれないが、まさにその通り。
歌う歓び、素晴らしさに満ち溢れた音楽ドキュメンタリー。
多くのスター・ミュージシャンを影から支えたバックコーラスたちに迫る。

つまり、彼女たちがセンターに立つ事は無い。
しかし、どうだ、彼女たちを語るスター・ミュージシャンのビッグネームの数々!
そして、どうだ、彼女たちが携わった名曲の数々!
ソウル音楽、ポップ、ロック…自分は音楽に疎いが、そんな自分でも、この人知ってる!この曲知ってる!…と思わず興奮してしまったほど。
(レイ・チャールズとのセッションが特に)

スター・ミュージシャンたちの、彼女たちへの絶大なる信頼、敬意。
彼女たちの、スター・ミュージシャンへの憧れ、尊敬。
両者の理想的な関係、ベタな言い方だけど縁の下の力持ちが居て、芸術は産まれる。

センターだろうとバックだろうとその歌声の素晴らしさに変わりはない。
センターをヤラセ投票で決める選挙なんて茶番。

いや、勿論、彼女たちもセンターに立つ事を夢見ている。
が、挫かれた夢…。
名前すら覚えて貰えない現実…。
時代と共に変わる音楽業界の彼女たちの扱い…。
彼女たちの影や苦難も包み隠さず。

歌にはメリハリがあるように、栄光と挫折があって、彼女たちの歌声はより一層人々を魅了する。
センターに立てなくても、ソロデビューが失敗しても、バックコーラスに甘んじてもいい。
歌う事が、彼女たちの全て。

近大