「人生こそが旅。」LIFE! ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
人生こそが旅。
試写会にて鑑賞。
名作「虹を掴む男」がオリジナル。J・キャリーとスピルバーグで
リメイクするのが決まりかけていた時期も過去にあったようだ。
オリジナルはD・ケイの珍芸が楽しめる快作でコメディ主体だが、
今作はヒューマンドラマになっている。
おそらく中高年のオッサン、オバサン(私か?)が観るとそれなりに
あ~、頑張らなきゃいかん!なんて風に思えてくる作品。
現実と非現実がないまぜになって描かれていくので、どこが
ホンモノでどこがニセモノで、あれ、最後は現実なんだよね?と
いう感じのキツネに抓まれた感が残るところも然り。
楽しめるか楽しめないかは年代に依るのかもしれないけど、
ストーリーとして身につまされる話なので中高年の共感は必至。
冴えない中年のウォルターは、雑誌「LIFE」の写真管理部で働く男。
臆病で好きな女性と話もできない彼の唯一の特技は妄想型英雄癖。
新しい上層部により解雇を免れない彼にある日、表紙で使うネガが
見つからないという災難が降りかかる。彼女の励ましでやっと決意、
カメラマンを探す旅に出るウォルターだったが…。
彼が旅に出てからの世界各地での映像表現が凄い。撮影はもちろん
CGを多用しているのだが、彼と一緒に旅をしている気分になれる。
途中で彼の家族が登場してくるのだが(お母さんがS・マクレーンだ)
ここでの行動にヒントが隠されているので、そのあたりがポイント。
やっと逢えたカメラマンを演じるS・ペンが素晴らしいハマり役で
こんなにカッコいい彼を見たのは久しぶり!と思うほどに見惚れる。
何ともミラクルでファンタジーな世界観と、現実社会での立ち位置。
彼と一緒に悩み苦しみもがいたうえで、あ~人生って、たしかに旅の
連続なんだよな…と思わされることに気付く。最後の表紙が物語る
人生こそが、彼にとっての「LIFE!」であることに触れて涙が出てくる。
惜しいのは中盤の盛り上がりまでが長く、けっこう単調なところかな。
(真面目なベンもいいもんです。彼のお笑い芸はなかなか独特なのだ)