キック・アス ジャスティス・フォーエバー : 特集
映画ファンよ! その“色眼鏡”を外せ!
編集部が確かめてきた「キック・アス」続編の本当の実力!
映画ファンを歓喜させた「キック・アス」から3年超、ついに待望の続編「キック・アス ジャスティス・フォーエバー」が完成した。いよいよ2月22日に日本公開を迎える同作だが、ファンの期待値が高いだけに、抱える不安も相当なもの──いち早く作品を鑑賞した映画.comが、その本当の実力を報告する。
■本作の“本当の実力”を編集部がこの目で確認!
「ジャスティス・フォーエバー」をめぐる“不安”なんて全部吹き飛んだ!
「あの『キック・アス』の続編が製作される!」というビッグニュースが全世界を駆けめぐり、映画ファンはその完成の時を今か今かと待ちわびた。そして、ついに待望の続編「キック・アス ジャスティス・フォーエバー」が完成。だが、いち早く公開されたアメリカではNo.1デビューを果たせず、なんとなく「続編はダメなんじゃないか?」という不安が、映画ファンの間でもチラホラ……。果たして、そのイヤな不安は的中するのか、それとも取り越し苦労に過ぎないのか。熱烈な「キック・アス」ファンでもある映画.comこそが、その真相を究明しなければならない!と熱い使命に燃え、いち早く同作の鑑賞に臨んだ。
断言しよう、ファンの不安は“大いなる勘違い”に過ぎなかった。「キック・アス ジャスティス・フォーエバー」は、あらゆる不安を吹っ飛ばすクオリティを放つ続編だった。
「監督が変われば、作品のテイストやクオリティが大きく変わる」というのが、映画を見慣れているファンにとってはシリーズものについて回る心配のタネだろう。「キック・アス」についてもまた、前作のマシュー・ボーンから新鋭のジェフ・ワドロウへと監督が交代されているが、そこは心配は無用だった。ボーンはプロデューサーとして作品全体をコントロールし、そのお眼鏡に適った“コミック愛”“キック・アス愛”に満ちた男がワドロウ監督だったからだ。しかも監督以外のスタッフは全て前作からのボーン組が再結集! 作品テイストは前作通りな上に、“等身大”ヒーローが複数登場することにより、作品世界がさらにスケールアップを果たしているのだ。
全米初登場No.1を記録した前作と異なり、今回はNo.1を獲得してはいない。一見、マイナス要因となるこの事実だが、イコール“作品が面白くない”ということにはならないと力説したい。昨年で言えば、「パシフィック・リム」を思い出してみてほしい。日本人をあれほど熱狂させたヒット作が、実はアメリカではランキングでNo.1を獲ってはいないのだ。また、「バイオハザード」シリーズも日本では大ヒットをキメるが、全米のヒットの様子は、日本ほどの熱狂を帯びているとは言いがたい。そう、“全米で当たっている=面白い映画”という定義自体が大きな誤解でもあるのだ。日本人にとって面白いかどうかは、ハマれる要素があるか否か。本作にはもちろんその要素は含まれている。
「キック・アス」の大きな魅力のひとつは、キュートで愛らしい少女が口汚い台詞を吐いて大活劇を演じたところ。続編ではもちろん、演じるクロエ・グレース・モレッツはハイティーンに成長しているが、だからといって魅力がなくなってしまったかと言えば、答えは“ノー”。変わらないキュートさに大人っぽい表情も加わって、トータルの魅力は断然アップしているというほかない。それに今回は「普通の女の子にならなければならない」と、ハイスクールで“女の子修行”する学園テイストも注入され、クロエ=ヒット・ガールの魅力がさらに炸裂する内容となっているのだ。もちろん全開のアクションも、毒舌もパワーアップ。
前作のヒットで認知も上がり、より大きな作品となった今回。ヒーロー映画の形式ながら、「R15+」というレーティングならではのどぎついバイオレンス描写は一体どうなったのか?というのも、ファンにとっては気になるところだろう。だが、その点もまったく安心。レーティングは「R15+」のままであり、バイオレンス度とアクの強さはさらにパワーアップしたと断言できる。なかでも、レッド・ミスト改めマザー・ファッカーが率いるスーパー悪党軍団の悪行が強烈。幹部マザー・ロシアが次々と警官隊を血祭りに上げるアクション・シーンは、観客の度肝を抜くはずだ。
■本作は《映画ファン必見の“続編”》に認定!
なぜなら「成功している続編の法則」のすべてが当てはまっているからだ!
第1作目の大ヒットを受けて続編が製作されるケースは、これまでにも数多く存在したが、必ずしも成功例ばかりではなかった。では、その成功と失敗を分けるものとはなにか。ここでは、「成功している続編の法則」を紹介し、「キック・アス ジャスティス・フォーエバー」がそのすべてに当てはまる“成功している続編”であることを解説する!
続編が成功する条件の筆頭は、第1作が観客に受けたテイストや要素がきっちりと受け継がれ、さらにスケールアップを果たすという、いわば“正統進化”を遂げることだろう。「ダイ・ハード2」や「バットマン ビギンズ」の続編である「ダークナイト」は、まさにこの典型。人気を博した世界観やテーマ性、アクションがスケールアップを果たした形だ。「キック・アス ジャスティス・フォーエバー」も、“普通の人がヒーローでいること”というテーマ性が正統進化。アクションも、前作をはるかに超えるスケールで激しさとテンションがアップしている。
新監督を起用することで作品世界に新たな息吹を注入するのも、続編が成功する条件としては重要だ。ハードなリアルアクションが絶賛された“ジェイソン・ボーン”シリーズだが、続編からはドキュメンタリー出身監督にバトンタッチして、さらにリアリティが突き詰められた。また「ミッション:インポッシブル」は作品ごとに監督が変わり、同一シリーズなのにそれぞれが違う魅力を放ち大ヒットを遂げているのだ。本作ではオリジナルのマシュー・ボーン監督のテイストを正統に継承しつつも、よりバトル感と学園モノ感をジェフ・ワドロウ監督が際立たせている。
観客の心をとらえたキャラクターを続編で大きく取り上げる形も、成功の秘訣と言えるだろう。代表格は「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズ。ジョニー・デップがひょうひょうと演じた海賊ジャック・スパロウが大ブレイクし、第2作では主人公だったウィルのお株を完全に奪い取り、物語を引っ張るメインキャラクターへと昇格した。また、「羊たちの沈黙」で異彩を放った殺人鬼ハンニバル・レクター博士も、名を冠した続編「ハンニバル」では主役に昇格している。本作では、クロエ・グレース・モレッツ演じる“ヒット・ガール”が大フィーチャー。キュートな魅力とハードなアクション満載で見逃せない。
成功している続編は、ファン心を刺激する“お約束”に満ちているのも共通している。長寿シリーズ「007」では、ボンドカーや秘密兵器、ボンドガールなどの“定番アイテム”が登場し、「アイアンマン」では主人公の憎まれ口と恋人とのやりとり、AC/DCのロックがファンの心を熱くする。本作では、キック・アスのデイブとヒット・ガールのミンディ、マザー・ファッカーのクリスという顔ぶれの再登板自体が嬉しさを感じさせるほか、デイブがつるむオタク仲間たちが相変わらずの姿で登場、さらには繰り出されるお下劣ギャグのノリも前作同様と、「『キック・アス』が帰ってきたんだな」と笑顔にならずにはいられないのだ。
■すでに“色眼鏡”を外した人々からの熱い声が続々!
このコメント見て“「キック・アス」愛”を思い出せ!
ひと足早く「キック・アス ジャスティス・フォーエバー」を鑑賞した人々から、熱いコメントが到着。自分の目で「ジャスティス・フォーエバー」の本質を確かめた著名人、映画評論家、ライターほかの熱い思いが、今映画ファンの“「キック・アス」愛”を刺激する!