「なんたってロブ・ロウ。」恋するリベラーチェ ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
なんたってロブ・ロウ。
あれぇ?なんで?ソダーバーグ監督引退したんじゃなかったの?
と、劇場でチラシを見つけた時は驚いた。
あら!でも面白そうじゃないの~コレ。と思って待つことに。
誰かと思えば化粧を施したM・ダグラスとM・デイモンのMMコンビ。
やだー。こんなの誰が観るんだよ?と思うほど悪趣味なのが素敵。
このエロジジイ(ゴメンね)と中年がゲイカップルって、ナニ?と
思うほどの衝撃度。さらにはR指定とあって、もちろんふんだんに
そういったシーンのテンコ盛り&オンパレードが続く。
いやー。どうしましょうかね、これ。どう書いたらいいんでしょう。
だけど、ソダちゃんの〆にはとっても相応しい作品だった。
このところ、実在した有名人の伝記映画が相次いで公開されたけど、
最も出来が良かったのはコレ!!といえるくらい面白かった。
もちろん見たくないシーン(生理的にもツライ)は沢山あるんだけど、
「リベラーチェ」という人物の陽と陰、光と影、表と裏を絶妙に表し、
なんだこのエロジジイは!?と思わせながら最後まで敬意を払う。
正しく描かれた伝記映画。というスタンスがとても心地良かった。
亡くなってしまった人のことをあーだこーだと祀り上げるのは簡単、
死人に口なし。とはよくいったもので、当人には反論ができない。
だから思い切り描いてやる!というのも結構(映画なんだからねぇ)、
だけどやっぱり過去を蒸し返すにしても最後はキッチリ〆て欲しい。
有名人というからには、偉大な功績もちゃんと遺してきたわけで、
そこを省いてテキトーに描かれちゃったら死人だって浮かばれない。
私はどう考えてもこのリベさんのことは好きにはなれないけれど、
そのエンターテインメントたるや、ものすごい芸術性と説得力。
愛人だったスコットから見れば、今だに愛しい神様の存在なのだ。
ラストの幻想ステージを観るスコットには、ちょっと涙が溢れた。
彼がどれほどリベさんを愛していたかを示した瞬間がそこにある。
ところでリベさん、アカデミー賞授賞式にもゲストで出演したそう
だが、ゼ~ンゼン覚えていない^^;
しかしあのキンキラキンの出で立ちで、ピアノに燭台を乗せて弾く
という、異様なパフォーマンス(失礼)は、なぜか記憶に残っている。
マイケル、マット、そして偉大な顔の功労者^^;ロブ。
この御三方の素晴らしい顔面パフォーマンスと芸達者なゲイの演技。
これだけでも!本当にこれだけでも!観る価値アリの芸術作品。
(最後にこうきたか。さすがソダちゃん。〆まで手を抜いてないね)